相続した古い家をリフォームしていると、施工業者が「悪い知らせなのですが…」と切り出しました。「ガレージの奥半分を書斎に改築するということでしたが、壁にほとんど基礎が無いことが分かりました。これでは一旦壊して、基礎をつくり、壁を一から作らなくてはなりません。」

私は追加費用を頭で計算しながら、「どうしても、そうしなくてはいけませんか。ちょこちょこっと直すことはできませんか」と尋ねました。しかし業者は、「きちんとした基礎を作らないと建築基準に合格しません。正規の基礎は絶対に必要です」と譲りませんでした。

正しい基礎の有無が、持続するか、そうでないかの分かれ目です。建物の基礎は外からは見えませんが、風雪に耐える安定した強い家を建てるためには、必要不可欠です。イエスはそのことをご存知でした(マタ7:24-25)。またイエスは、ご自分の教えに耳を傾ける人々の心もよくご存知でした。人は目標を掲げても、楽な道や近道を選んだり、中途半端なことをしたりする誘惑にかられ、負けそうになります。

世の中には、早く簡単に作れる基礎があるのかもしれません。正しい基礎の上に人生を築くことは、楽な仕事ではありません。しかし、神の真実だけが、その上に何かを築いても揺るがない価値ある土台です。人生の嵐が吹き荒れたとき、神を土台とし、神によってひとつにつながれている家は、しっかりと建っています。