フランツ・フェルディナント大公夫妻の暗殺に報復するとして、1914年7月28日、オーストリアとハンガリーは、セルビアに宣戦を布告しました。ヨーロッパ各国は、その後90日以内に各々の軍事同盟に基づき、また自国の野心に照らして、どちらかの陣営に加わりました。この事件は、近代史上で最も破壊的な軍事紛争のひとつである、第一次世界大戦に発展していったのです。

戦争の悲劇は目をおおうばかりですが、人間関係や家族の絆にヒビが入るのも、意地悪なひと言がきっかけです。ヤコブの手紙には、「ご覧なさい。あのように小さい火があのような大きい森を燃やします」とあります(ヤコ3:5)。また、口げんかを避ける鍵は箴言に記されています。「柔らかな答えは憤りを静める。しかし激しいことばは怒りを引き起こす」と述べられているとおりです(箴15:1)。

何気ないコメントから、大きな争いが起こることがあります。神の恵みに守られて、「言われたら言い返す」ということを控えられるなら、救い主イエスが栄誉を受けます。イエスは虐待され、嘲笑されましたが、黙っておられました。こうして、「彼は痛めつけられた。彼は苦しんだが、口を開かない」というイザヤの預言が成就したのです(イザ53:7)。

箴言は、私たちが自分の口で真実を語り、平和を求めるように促します。「穏やかな舌はいのちの木…時宜にかなったことばは、いかにも麗しい」と語ります(箴15:4、23)。