マタイの福音書でキリスト降誕の記述を読んでいると、15世紀のケルト人、聖パトリックの賛美歌が心に浮かびました。「キリストは私とともに、キリストは私の前に、私の中に、私の下に、上に、右に、左に…。」それは暖かな抱擁のようで、私は決してひとりではないと再認識しました。

マタイの記述によると、信じる人に内住する神こそがクリスマスの神髄です。「インマヌエル」(マタ1:23)と呼ばれる赤子が生まれます。その意味は「神は私たちとともにおられる。」マタイはイザヤの預言(イザ7:14)の成就を示唆します。すなわち、聖霊によって生まれたイエスが、私たちとともにおられる神です。マタイは「わたしは、世の終わりまで、いつも、あなたがたとともにいます」(マタ28:20)というキリストの御言葉で福音書を締めくくります。この真理は軸となる主張です。

聖パトリックの賛美歌は、キリストが聖霊として常に信じる者の内に住まわれていることを、改めて教えてくれます。不安や恐れのある時には、神は私を見放さないという約束を固く握りしめることができます。眠れない時は平安をくださいと祈れます。喜び祝うときには、私の人生にもたらされた恵み深い御業に感謝します。イエス、インマヌエル―神は、ともにおられます。