マルティン・リンカートは17世紀、ドイツのザクセン州で30年以上、牧師として働きました。それは疫病が蔓延したり戦時中だったり、という時代で、ある年には4千人以上の葬儀を執り行い、その中には妻の葬儀も含まれていました。食料不足で家族と空腹に耐える日々もありました。しかし、絶望的な状況下でもリンカートの信仰は揺るがず、絶えず神に感謝していました。実際、彼の感謝は、多くの人に愛される「いざもろともに」(聖歌291番)という賛美歌を生んだのです。

リンカートの姿は、どんな時も感謝をささげるように神の民に語った預言者イザヤの教えに沿うものです。どんな時でもとは、神が怒られた時や外敵に圧迫された時でもです(イザ12:1)。そんな時でさえ、彼らは神の御名を高くかかげ「そのみわざを、国々の民の中に知らせ」(4節)るべきでした。

家族や友人たちとごちそうを囲んで楽しむ時に感謝をささげるのは容易かもしれません。しかし、苦しい時、例えば家族や友人を亡くしたり、経済的に困窮した時、あるいは親しい人と気まずくなったりした時でも、神に感謝することができますか。

リンカート牧師に倣いましょう。「主をほめ歌え。主はすばらしいことをされた」(5節)と心と声を合わせて賛美し、感謝しましょう。