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Cindy Hess Kasper

Cindy Hess Kasper

シンディ・ヘス・キャスパー氏は、RBCミニストリーズで40年以上勤続しています。Our Daily Journey(若者向けデボーションガイド)の副編集長です。キャスパー氏は2006年に「デイリーブレッド」の著者に加わりました。キャスパー氏と夫トムには、成人した子ども3人と孫が7人あります。

寄稿一覧 Cindy Hess Kasper

十分な時間

友人の本棚にトルストイの『戦争と平和』の全巻が並んでいるのを見て、私は全巻を読んでいないと告白しました。彼は笑いながら「定年で教職から退いたとき、『読める時間がやっとできたね』と、友人がプレゼントしてくれたのだよ」と言いました。

ありのままのその人を

オリバー・クロムウェルは17世紀の軍人で、イングランド共和国の初代護国卿でした。当時、国の高官が肖像画を描かせるのはよくあることで、見栄えのよくない部分を描かないことも普通でした。しかし、クロムウェルは自分を良く見せたいとは思わず、「イボも含めて、ありのままの私を描きなさい。さもなければ支払いはしません」と告げました。画家が従ったのは明らかです。完成したクロムウェルの自画像には大きなイボが描かれています。現代のSNSの写真なら修正されていたでしょう。

心地よい眠り

友人のフロスは、眠れない夜には賛美歌「主よ、わが主よ」の歌詞を思い巡らします。彼女はそれを「真夜中の賛歌」と呼びます。神の約束や神を愛する数々の理由を思い起こさせてくれるからです。

学ぶことを愛する

ジャーナリストになった経緯を尋ねられた男性は、彼の知りたいという思いを応援してくれた貧しい母の話をしました。彼女は日々の通勤電車で、座席に放置されていた新聞を集めて、息子のために持ち帰りました。彼は特にスポーツの記事が好きでしたが、他の分野と出会うきっかけにもなり、最終的に幅広い興味を持てるようになりました。

聖書を描く

オランダ系の家庭でよく見かける青と白の装飾タイルはデルフト市で生まれました。そこには、美しい風景、点在する風車、働いたり、遊んだりする人々などが描かれています。19世紀、チャールズ・ディケンズは、小説『クリスマス・キャロル』の中で、古い暖炉は、古風なデルフト・タイルで敷き詰められていて「カインや、アベルや、パロの娘達や、シバの女王達、……海に出て行こうとしている使者達……がそこに描かれていた」と記しています。当時の人々は、家族で暖炉を囲みながら、タイルを教材として、聖書の物語を語り合いました。そして、神の品性、すなわち、神の義やあわれみを学んだのです。

太っ腹

新型コロナウイルス感染症の蔓延防止のために、テネシー州が小売店に営業停止命令を出しました。店主たちは、どうやって家賃や従業員の給与を支払い、この危機を乗り切ろうかと悩んでいました。それを知ったナッシュビル近くの教会の牧師は、彼らを助けようと動きました。彼は「町の人が大変な目に遭っているときに、教会が蓄えの上に安住しているわけにはいきません」と語り、近隣の他の教会にも協力してほしいと呼びかけました。

内側から崩壊する

私が10代の頃、母はリビングの壁に絵を描きました。それは古代ギリシャの廃墟となった神殿の絵で、折れて横たわった白い柱や崩れた噴水、壊れた彫像が描かれていました。数年の間そこにあったヘレニズム様式の建造物の絵を見ながら、かつては美しかったはずなのに、滅亡の理由は何だったのだろうと想像しました。繁栄を謳歌した文明が内から崩れていった悲劇の歴史を学び始めていたので、こういうことに興味があったのです。

祈りの人

祖父はよく祈る信仰の人でしたが、初めて「今日から神に食前の感謝の祈りをささげる」と言ったときのことを叔母が覚えていました。流暢な祈りではなかったそうです。しかし、50年間、祈りつつ1日を過ごす習慣をつづけました。祖父が亡くなったとき、夫は「おじいさんは祈りの人でした」と言って「祈りの手」と呼ばれる植物(ギボウシ) を祖母に贈りました。日々神に従い、神と話す、という祖父の決断は、彼を主の忠実なしもべに成長させました。

すべてご存じの神

親友とランチをした帰り道、私は車の中で声をあげて彼女の存在を神に感謝しました。彼女は私の欠点を知っています。奇妙に見える行動や癖、過去の大失敗も知っています。それにもかかわらず、ありのままの私を受け入れてくれる友人のひとりです。それでも、私には、誰とも分かち合えない人生の物語があります。勇敢でなかったり、過度に批判的だったり、不親切だったり、陰険だったりというエピソードです。一方、神は私のすべてをご存じです。人には話せないことも自由に話せる唯一のお方です。