トールキンの小説「ホビットの冒険」の中で、魔法使いガンダルフは、ドワーフたちといっしょに敵と戦う仲間として、なぜビルボのような小さなホビットを選んだのかについて説明しました。彼は「サルマンは、偉大な力のみが敵をやっつけることができると信じているが、私はそうではないと思う。闇を押し留めているのは、普通の人が日常的に行うちょっとしたことだ。愛とか親切とかという、ちょっとしたことだ」と言いました。

それは、イエスが私たちに教えられたことでもあります。イエスは、私たちが闇の時代に住んでいると警告されました。そして、イエスを信じているなら、私たちは「世界の光」(マタ5:14)であり、私たちの良い行いは、闇に対抗する力だということを忘れてはいけないと言われました。私たちの良い行いは、神の栄光のためにあると言われました。ペテロは厳しい迫害の中にある教会の人たちに、りっぱに振る舞うようにと伝えました。それは、彼らを迫害する人たちが、「(彼らの)りっぱな行いを見て、おとずれの日に神をほめたたえるように」なるためでした(Ⅰペテ2:12)。

闇の力が勝てないものがひとつだけあります。それは、愛を動機とする行為の持つ力です。つまり、イエスの御名による親切が持つ力です。もう片方の頬を差し出す人、一ミリオン余分に歩く人、赦すだけでなく敵さえ愛す人…。そんな神の民が、悪を巻き返す力のある人です。ですから今日、私たちにだけ与えられた特権を探しましょう。親切な行為によって、イエスの光で人々を照らせる機会を探しましょう。