生き延びるための力
子どもの頃、ビニール製の起き上がりこぼしを持っていました。当時の私と同じくらいの背丈で、顔は笑っていました。私は奮起して思い切り叩いてそれを倒しますが、どんなに頑張っても、起き上がりこぼしは必ず跳ね返ってきます。というのは、この人形の底には鉛のおもりが入っていて、立った状態を保とうとする仕組みだからです。ヨットの原理も同じです。竜骨の鉛のおもりが船を均衡にして、強風の中でも倒れずに航行できます。
神の選び
子どもたちが幼かったとき、いっしょに就寝の祈りをしました。しかし、祈る前にベッドの端に腰かけ、おしゃべりをしたりもしました。娘のリビーに、こんな話をしたことがあります。「世界中の4歳の女の子が一列に並んでいたら、パパは、そこに君を見つけようとするよ。列の最後まで歩いて行ってリビーを見つけると、その子をパパの娘にするんだ。」この話をすると、娘はいつもとびきりの笑顔になりました。自分は特別だと感じたからです。
豊かに潤された人生
モンタナ州の平原で、農園を営んでいる友人がいます。彼の家に行くには、殺風景な不毛の荒野の真ん中にくねくねとつづく長い小道を通ります。しかし、家に向かって車を走らせていくと、あたりの風景が一変していきます。木々や草花が青々と生い茂る細長いエリアが、農場の中を蛇行しています。北アメリカ屈指のマス釣りの名所である有名な川が農場の敷地内を横切っていて、その川べりでは、どんな草木もゆたかに育ちます。そこで育つものには、絶えることのない命の水があります。あたりの植物はすべて、この水源の恩恵を受けています。
誕生日のお祝い
誕生日が楽しかった頃がありました。今でも5歳の誕生日のことを覚えています。友だちが誕生会に来るのを、わくわくしながら玄関の外で待っていました。風船やケーキ、プレゼントが嬉しかったのではありません。もう4歳ではなく、大きくなったことが嬉しかったのです。
叫びに応える
息子が幼い子どもたちを連れてミュージカル「ライオンキング」を観に行ったときのことです。悪い弟に殺された父のムファサ王の遺体を前に、子どもライオンのシンバがひとり残され、おびえて、「助けて!助けて!助けて!」と叫ぶシーンがありました。当時まだ3歳だった孫は、静まり返った劇場で椅子の上に立ち上がると、「どうして誰も助けてあげないの!」と大きな声で叫んだそうです。
美しい花嫁
数々の結婚式の司式をしてきましたが、その多くは花嫁の希望にそったものでした。カップルの個性が反映されてはいましたが、やはり、ひとつの共通点があります。つまり、美しいウェディングドレスに幸せそうな笑顔…主役は花嫁です。
近所付き合い
ご近所がざわめいていました。アメリカンフットボールの有名選手が、我が家の二軒先に越して来たのです。テレビで観たり、新聞のコメントを読んだりはしていましたが、まさか、そんな有名人がこのあたりを選んで住むとは思ってもいません。私たちみんなは最初、彼を喜んで隣人として迎え入れ、良い友だちになろうと張り切っていました。しかし、彼の生活は、近所付き合いをするにはあまりにも忙しすぎたようでした。
素敵な ラッピング
我が家には、毎年恒例のクリスマスイベントがいくつかあります。そのひとつは、子どもや孫たちがわいわい言いながらプレゼントを開くとき、妻のマーティーが「包装紙を破らないでね。来年も使えるから!」と叫ぶことです。マーティーは人に贈り物をするのが好きですが、そのときラッピングも重視しています。見栄えの良し悪しは、プレゼントの良し悪しの一部だと考えているようです。
どちらの側に つく
アメリカの南北戦争が大詰めを迎えようとしていたとき、リンカーン大統領の側近のひとりが、神が北軍に味方してくださったので感謝していると言いました。しかし、リンカーンは、次のように応じました。「私の関心は、神が我々の側につくか否かではありません。最大の問題は、私たちが神の側にいるかどうかです。神は常に正しいのですから。」