創造の不思議
アラスカのルート氷河を歩いている時、ティムは、未知なるものに遭遇しました。彼は、氷河の研究者ですが、大量の鮮やかな緑の苔玉を初めて見ました。その後、長年、同僚と調査し、その「氷河ネズミ」は、木の苔と違って何にも付着していないばかりか、何と、動物の群れのように揃って動くことが分かりました。初めは、風に吹かれたり、転がり落ちたりしていると考えましたが、調査を続けると、その仮説は排除せざるをえなくなりました。
神から隠れる
小学3年生のかくれんぼの思い出です。鬼の私は教室を出て、物置や戸棚など、あちこち探して友だちを見つけましたが、最後の一人が見つかりません。ついに彼女が、天井から吊るしたシダの鉢植えの向こうから出て来たときは、自分の目は節穴だったかと思いました。隠れていたのは彼女の頭だけで、他は丸見えだったのです。
みそばに近づく
コロナ禍の中、貸金庫使用の手続きがさらに煩雑になりました。来店予約をし、到着後に電話で入店許可をもらい、身分証明書を見せて署名します。そして、付き添ってくれる専任の行員を待ちます。部屋に入ると、私が金属の箱から必要なものを取り出すまで重い扉は施錠されます。これらの指示に従わなければ、中には入れません。
離れていてもいっしょ
新型コロナウィルスの蔓延を防止するために、専門家は、人と人との接触を減らすことを提言しました。多くの国ではステイホームが呼びかけられ、テレワークが推奨されました。失業して困窮している人も大勢います。私も礼拝やスモールグループの集まりにオンラインで参加しました。別々の場所にいながらもいっしょに過ごすという新しい集まり方が世界中に広がりました。
主の臨在の中に
駐車場に向かって歩く母親の手を振りほどき、4歳のザンダーは教会に戻ろうと駆け出しました。母が追いかけて来て言い聞かせましたが、ついに断念して、息子を抱き上げました。ザンダーは泣き出し、彼女の肩越しに教会に向かって手を伸ばしました。
鐘を鳴らせ
ダーラは、30クールの放射線治療の後の検査で、がんは消滅していると言われました。それで、「解放の鐘」を鳴らしたくてうずうずしていました。治療が終了し、健康になったことを祝って鳴らす、この病院の伝統、「解放の鐘」です。彼女は、この祝賀セレモニーが本当に嬉しく、興奮しすぎて、ベルからロープが外れたほどでした。明るい笑い声がホールに響きました。
未熟な信仰
思春期は、当人にとっても、親にとっても、人生で最も辛い時かもしれません。当時、私は「ママとは違う」と、はっきりさせたかったので、母の価値観をあからさまに否定し、母の言うことに反抗しました。私の自由を奪って惨めにしたいのだろうと疑っていました。後年、この問題は解決しましたが、当時の親子関係は緊張そのものでした。当然、母は私の反抗を嘆いていました。それらの規則が娘を不必要な精神的・肉体的痛みから守ると知っていたからです。
大きな物語
クラフトのパーツとして破片を注文したはずなのに、届いた箱には、無傷のステンドグラスが入っていました。調べてみると、それは第二次世界大戦の爆撃を避けるために撤去された教会の窓だと分かりました。注文主のコリンは、その質の高さに驚きました。一つひとつの断片は、美しい絵を形成していました。
恵みを施す
息子は私たちの養子になるまで児童養護施設にいました。家に連れて帰る日、持ち物を取ってくるように言うと、何もありませんでした。私たちは持ってきた新品の服に彼を着替えさせ、着ていた服は、寄付する他の服と一緒に置いてきました。彼が何も持っていないことに心が痛みましたが、これからは物心両面で支えてやれると嬉しくなりました。