信仰について語る
プレゼンが苦手で悩むアランに助言を求められました。人前で話すと動悸がして口が渇き、赤面するといいます。これは多くの人が悩む社会恐怖のひとつです。私は、失敗の恐怖を克服するためには、言葉の巧みさを追い求めず、伝えるべき内容に焦点を絞ることだと助言しました。
成熟に向かって
大人になったと感じた時はいつかという調査がありました。最も多かったのは、経済的に自立した時、家を買った時でした。自炊を始めた時、病院などの予約を自分で取り出した時という答えや、夕食をスナック菓子で済ませる自由を得た時、土曜日の夜は出かけず自宅でくつろぎたいと思った時、という面白い返答もありました。どれも何らかの行為を指して大人のあかしと語っています。
虹の輪
エイドリアンは登山中に不思議な体験をしました。それはブロッケン現象といって、虹色の光の輪の中に自分の影が映るというものです。自分の背後から差し込んだ日光が、雲に反射して起こります。彼は、この魔法のような光景を前に大喜びしました。
歌ってくださる神
若い父親が赤ん坊の息子を抱いて、歌ってあやしていました。その子には聴覚障害があって、メロディーも歌詞も聞こえません。それでも父は優しく歌います。息子に対する愛を表しているからです。赤ん坊は、こぼれる笑顔で父親に応えていました。
重荷を分かち合う
中学校教師のカレンは、生徒たちにある活動をさせます。各々が心に負う悲しみや悩みを匿名で書き、それを皆でシェアして、互いの辛さを理解するのです。生徒たちはしばしば、同情の涙を流します。この試みは、思いやりと共感力を喚起し、クラスに互いを尊敬する雰囲気が醸成されます。
休む理由
長生きしたいなら休暇を取りましょう。中年男性の会社役員の心臓病リスクを研究していたフィンランドのヘルシンキのチームが、40年後、被験者の追跡調査をしたところ、思いがけない発見をしました。休暇を取った人たちの死亡率が低かったのです。
上を見る
カリフォルニアシラタマイカは薄明かりの中深海に生息します。ふたつの目の大きさが極端に違うので「ゆがんだイカ」というニックネームがつきました。左目は時間の経過とともに発達して、右目の約2倍の大きさになります。軟体動物の研究者たちは、イカは、小さい右目で暗黒の海底を、大きい左目で太陽光の注ぐ海面を見ていると考えています。
走って知らせる
今日のマラソン競技の起源は、古代ギリシャの伝令だといいます。言い伝えによれば、紀元前490年、ギリシャが侵攻してきたペルシャ軍を打ち破ったことを知らせるために、フェイディッピデスという伝令が、マラトンからアテネまでの約40キロを走りました。今日のマラソンランナーは、自己実現のために走ります。しかし、フェイディッピデスは、勝利の良い知らせを同胞に届けるという大義のために走りました。
ともにいるということ
テーマパークのスタッフのジェンは、男の子が地べたで泣き叫んでいるのを見つけて駆け寄りました。ラルフという少年でしたが、朝からずっと楽しみにしていたアトラクションに行ってみたら、故障中だったのです。ラルフは自閉症でした。ジェンは彼を抱き起こしたり気休めを言ったりせず、一緒に地面に寝転んで気持ちを共有して、気がすむまで泣かせてあげました。