引退したメジャーリーガーであるトニー・グラッファニーノは現在、ヨーロッパで宣教活動をしています。毎年、彼の宣教団体は1週間のベースボール・キャンプを開催し、その間、毎日聖書の勉強会を行います。主事はキャンプ参加者に、神がおられることを論理的に説明し、神を信じましょうと勧めてきました。このようなことを約13年間してきましたが、救われた人はたった3人でした。

そこで、彼らはアプローチを変えました。グラッファニーノは言います。「事実を並べ立てて議論に勝つのではなく、イエスの驚くべき生き方や教えについて話すようにしました。」その結果、より多くの人たちが耳を傾け、イエスを信じて救われるようになりました。

パウロは私たちがイエスの福音を伝えるとき「自分自身を宣べ伝えるのではなく、主なるキリスト・イエスを宣べ伝え」ると語りました(Ⅱコリ4:5)。また、「神のことばを曲げず、真理を明らかにし…」とも述べています(Ⅱコリ4:2)。これが、「私は、あなたがたの間で、イエス・キリスト、すなわち十字架につけられた方のほかは、何も知らないことに決心したからです」(Iコリ2:2)と語るパウロの福音宣教の基本でした。

私たちは聖書についてよく知るべきですし、自分の信仰の根拠について論理的に理解すべきです。信仰について論理的に説明しなくてはいけないときもあるでしょう。しかし、人の心を何より動かす話とは、キリストを中心に据えた話です。