幼い娘に「男の子の赤ちゃんが遊びに来るよ」と告げると、彼女は大喜びしました。そして、食べ物をあげておもてなしをしようと、子どもらしい提案をしました。カウンターにある新鮮なオレンジがよいのではと思ったようです。そこで私は、赤ちゃんはまだミルクしか飲めないけれど、大きくなったらオレンジが食べられるようになると説明しました。

聖書にも似たような説明があります。キリストを信じる人には霊的な食べ物が必要で、聖書の基本的な真理は、ミルクのようなものです。これは、生まれたてのクリスチャンの成長を助ける食べ物ですが(Ⅰペテ2:2-3)、それに対して、おとなの物と語られる堅い食物があります。「しかし、堅い食物はおとなの物であって、経験によって良い物と悪い物とを見分ける感覚を訓練された人たちの物です」と語られています(ベブ5:14)。信仰者は、基本的な真理を消化して理解した後、聖書に導かれた概念を学ぶ段階に進みます。そしてさらに、それらを人に教える段階へと進んでいきます。霊性が成長することの報いは、良い物と悪い物を見分ける感覚(14節)、神聖な知恵(Ⅰコリ2:6)、神の真理を人に分かりやすく伝える能力(ヘブ5:12)を会得することです。

子どもの成長を願う愛情深い親と同じように、神は信仰者の霊性が成長することを願っておられます。私たちにとっての最善の利益は、ミルクのみで栄養を取りつづけることではありません。神はそれを知っておられます。神は私たちに次の段階に進んで欲しい、そうして、堅い食物の味を楽しんで欲しいと願っておられます。