イザヤ書 20:1-22:25
アシュドドの占領
1アッシリアの王サルゴンに派遣された将軍がアシュドドを襲った年のことである。彼はアシュドドと戦い、これを占領した。 2それに先立って、主はアモツの子イザヤを通して、命じられた。
「腰から粗布を取り去り、足から履物を脱いで歩け。」
彼はそのとおりにして、裸、はだしで歩き回った。
3主は言われた。
「わたしの僕イザヤが、エジプトとクシュに対するしるしと前兆として、裸、はだしで三年間歩き回ったように、 4アッシリアの王は、エジプトの捕虜とクシュの捕囚を引いて行く。若者も老人も、裸、はだしで、尻をあらわし、エジプトの恥をさらしつつ行く。 5彼らは自分たちの望みをかけていたクシュのゆえに、誇りとしていたエジプトのゆえに、恐れと恥をこうむるであろう。」
6その日には、この海辺の住民は言う。
「見よ、アッシリアの王から救われようと助けを求めて逃げ、望みをかけていたものがこの有様なら、我々はどうして逃げ延びえようか。」
バビロンの陥落
1海の荒れ野についての託宣。
ネゲブに吹き荒れるつむじ風のように彼は来る
荒れ野から、恐ろしい地から。
2厳しい幻が、わたしに示された。
「欺く者は欺き続け
荒らす者は荒らし続けている。
上れ、エラムよ
包囲せよ、メディアよ
わたしは呻きをすべて終わらせる。」
3それゆえ、わたしの腰は激しくもだえ
産婦の痛みのような痛みにとらえられた。
わたしは驚きのあまり、聞くこともできず
恐れのあまり、見ることもできない。
4わが心は乱れ、おののきが、わたしを打ちのめす。
楽しみにしていた夕暮れは
かえって、わたしを恐怖に突き落とした。
5宴は広げられ、座は整えられ
人々は飲み食いしていた。
「立て、武将たちよ
盾に、油を塗れ。」
6わが主はわたしにこう言われた。
「さあ、見張りを立てよ。
見るところを報告させよ。
7彼は見るであろう。二頭立ての戦車を
ろばに乗る者、らくだに乗る者を。
耳をそばだてて聞け、油断するな。」
8見張りは叫んだ。
「わが主よ、見張り台に
わたしは一日中立ち尽くし
歩哨の部署に
わたしは夜通しついていた。
9見よ、あそこにやって来た
二頭立ての戦車を駆る者が。」
その人は叫んで、言った。
「倒れた、倒れた、バビロンが。
神々の像はすべて砕かれ、地に落ちた。」
10打たれ、踏みにじられたわたしの民よ
わたしは、あなたたちに告げた
イスラエルの神、万軍の主から
わたしが聞いたことを。
エドムについての預言
11ドマについての託宣。
セイルから、わたしを呼ぶ者がある。
「見張りの者よ、今は夜の何どきか
見張りの者よ、夜の何どきなのか。」
12見張りの者は言った。
「夜明けは近づいている、しかしまだ夜なのだ。
どうしても尋ねたいならば、尋ねよ
もう一度来るがよい。」
13荒れ地についての託宣。
荒れ地の茂みで夜を明かせ
デダンの隊商よ。
14渇いた者を迎えるために
水を持って来るがよい。
テマの地の住民よ
パンをもって、逃れてきた者を出迎えよ。
15彼らは剣、抜き身の剣
引き絞られた弓
戦いの苦しみを逃れてきたのだから。
16まことに、主はわたしにこう言われた。
雇い人の年期のように、一年たてば
ケダルの栄光はすべて尽きる。
17ケダルの勇士らの弓も残り少なくなる。
イスラエルの神、主が語られた。
いやし難いエルサレムの罪
1幻の谷についての託宣。
どうしたのか、お前たちが皆、屋上にいるのは。
2騒音に満たされ、どよめく都
喜びに浮かれた町よ。
お前の死者たちは、剣に倒れたのではない
戦って死んだのではない。
3お前の将校たちはすべて逃げ出したが
弓を引くこともなく捕らえられた。
遠くに逃げた者も皆
見つけられ、共に捕らえられた。
4それゆえ、わたしは言う。
「わたしから目をそらしてくれ。
わたしは激しく泣く。
あえてわたしを慰めるな。
娘なるわが民が滅びたのだ。」
5混乱と蹂躙と崩壊の日が
万軍の主なる神から来る。
幻の谷に、騒音が響き渡り
山に向かって叫ぶ声がある。
6エラムは矢筒を取り上げ
戦車には人が乗り、馬がつながれた。
また、キルは盾の覆いをはずした。
7お前の最も豊かな平野は
戦車と馬で満たされ
彼らは城門の前に陣取り
8ユダの防備をはぎ取った。
その日には、お前たちは
森の家の武器に目を向けた。
9また、ダビデの町に破れの多いのを見て
下の池の水を集めた。
10エルサレムの家を数え
家々を倒して、城壁の破れをふさごうとした。
11二つの城壁の間に水溜めを造り
古い池の水を入れた。
しかし、お前たちは、都を造られた方に目を向けず
遠い昔に都を形づくられた方を
見ようとしなかった。
12その日には、万軍の主なる神が布告された。
嘆くこと、泣くこと
髪をそり、粗布をまとうことを。
13しかし、見よ、彼らは喜び祝い
牛を殺し、羊を屠り
肉を食らい、酒を飲んで言った。
「食らえ、飲め、明日は死ぬのだから」と。
14万軍の主はわたしの耳に告げられた。
「お前たちが死ぬまで
この罪は決して赦されることがない」と
万軍の主なる神が言われた。
シェブナの罷免
15万軍の主なる神はこう言われた。
「さあ行け、あの家令のところへ。
宮廷を支配しているシェブナのところへ。」
16ここでお前は何をしているのか
ここでお前は何者だというのか。
ここに自分の墓を掘るとは何事か。
高い所に墓を掘り
岩をえぐって住みかを造ろうとする者よ。
17見よ、主はお前を放り出される。
人よ、主はお前を衣のように巻き
18ターバンのように丸めてまりを作り
広大な地へ放り出される。
そこでお前は死に
そこに、お前の誇る馬車も捨てられる。
主人の家に恥をもたらす者よ。
19わたしは、お前をその地位から追う。
お前はその職務から退けられる。
20その日には、わたしは、わが僕、ヒルキヤの子エルヤキムを呼び、 21彼にお前の衣を着せ、お前の飾り帯を締めさせ、お前に与えられていた支配権を彼の手に渡す。彼はエルサレムの住民とユダの家の父となる。 22わたしは彼の肩に、ダビデの家の鍵を置く。彼が開けば、閉じる者はなく、彼が閉じれば、開く者はないであろう。 23わたしは、彼を確かなところに打ち込み、かなめとする。彼は、父の家にとって栄光の座に着く。
24彼の父の家の栄光はすべて、彼の上に掛けられる。木の芽から葉に至るまで、また、小さな器もすべて、鉢からあらゆる壺に至るまで。
25だが、その日には、と万軍の主は言われる。確かなところに打ち込まれていたかなめは抜け落ち、それに掛けられていた重荷は、壊され、落ち、断たれる、と主が語られた。