ある公立高校の2019年の卒業式で、校長先生が、生まれた国の名前が呼ばれたら立ってくださいと、608人の卒業生に言いました。アフガニスタン、ボリビア、ボスニア……と続き、60か国の国名が読み上げられました。卒業生は立ち上がって互いに喜び合いました。一つの高校の中に、60もの国があったのです。

このような、調和した多様性の美しさは、神が望んでおられる姿に近いものです。すなわち、人々が一つになって共に住むことです。

詩篇133篇、都上りの歌には、神の民の一体感が表されています。この歌は、年に1度の祭りを祝って、人々がエルサレムに入るときに歌われました。分裂の原因となりかねない相違があったとしても、調和して生きることの利益を人々に想起させ(1節)、その麗しさを、すがすがしい露(3節)や、尊い油(2節)に例えました。この油は、祭司への注ぎの油で(出29:7)、祭司の頭からひげ、衣にまで「流れしたた」ります(詩133:2)。その比喩は、神の祝福が、調和の内に、溢れるほど豊かに注がれるという意味です。

イエスを信じる人は、人種、国籍、世代という違いを越えて、深い部分で一致しています(エペ4:3)。この共通の絆をイエスに導かれて共に受け止め、それを祝うなら、神が賜った多様性を大切にしつつ、一致の源であるお方を祝うことができます。