イザヤ書 7:1-8:23
インマヌエル預言
1ユダの王ウジヤの孫であり、ヨタムの子であるアハズの治世のことである。アラムの王レツィンとレマルヤの子、イスラエルの王ペカが、エルサレムを攻めるため上って来たが、攻撃を仕掛けることはできなかった。 2しかし、アラムがエフライムと同盟したという知らせは、ダビデの家に伝えられ、王の心も民の心も、森の木々が風に揺れ動くように動揺した。
3主はイザヤに言われた。
「あなたは息子のシェアル・ヤシュブと共に出て行って、布さらしの野に至る大通りに沿う、上貯水池からの水路の外れでアハズに会い、 4彼に言いなさい。落ち着いて、静かにしていなさい。恐れることはない。アラムを率いるレツィンとレマルヤの子が激しても、この二つの燃え残ってくすぶる切り株のゆえに心を弱くしてはならない。 5アラムがエフライムとレマルヤの子を語らって、あなたに対して災いを謀り、 6『ユダに攻め上って脅かし、我々に従わせ、タベアルの子をそこに王として即位させよう』と言っているが、 7主なる神はこう言われる。
それは実現せず、成就しない。
8アラムの頭はダマスコ、ダマスコの頭はレツィン。
(六十五年たてばエフライムの民は消滅する)
9エフライムの頭はサマリア
サマリアの頭はレマルヤの子。
信じなければ、あなたがたは確かにされない。」
10主は更にアハズに向かって言われた。 11「主なるあなたの神に、しるしを求めよ。深く陰府の方に、あるいは高く天の方に。」
12しかし、アハズは言った。
「わたしは求めない。
主を試すようなことはしない。」
13イザヤは言った。
「ダビデの家よ聞け。
あなたたちは人間に
もどかしい思いをさせるだけでは足りず
わたしの神にも、もどかしい思いをさせるのか。
14それゆえ、わたしの主が御自ら
あなたたちにしるしを与えられる。
見よ、おとめが身ごもって、男の子を産み
その名をインマヌエルと呼ぶ。
15災いを退け、幸いを選ぶことを知るようになるまで
彼は凝乳と蜂蜜を食べ物とする。
16その子が災いを退け、幸いを選ぶことを知る前に、あなたの恐れる二人の王の領土は必ず捨てられる。 17主は、あなたとあなたの民と父祖の家の上に、エフライムがユダから分かれて以来、臨んだことのないような日々を臨ませる。アッシリアの王がそれだ。」
大いなる荒廃
18その日が来れば
主は口笛を吹いて
エジプトの川の果てから蠅を
アッシリアの地から蜂を呼ばれる。
19彼らは一斉に飛んで来て
深い谷間や岩の裂け目に宿り
どの茨にも、どの牧場にも宿る。
20その日には、わたしの主は
大河のかなたでかみそりを雇われる。
アッシリアの王がそれだ。
頭髪も足の毛もひげもそり落とされる。
21その日が来れば
人は子牛一頭、羊二匹の命を救いうるのみ。
22しかし、それらは乳を豊かに出すようになり
人は凝乳を食べることができる
この地に残った者は皆、凝乳と蜂蜜を食べる。
23その日が来れば
ぶどうの木を千株も育てうるところ
銀一千シェケルに値するところもすべて
茨とおどろに覆われる。
24茨とおどろがこの地を覆うので
人は弓矢を持ってそこへ行かねばならない。
25鍬で耕されていた山々にも
人は茨とおどろを恐れて足を踏み入れず
ただ牛を放ち、羊が踏み歩くにまかせる。
速やかな略奪
1主はわたしに言われた。「大きな羊皮紙を取り、その上に分かりやすい書き方で、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ(分捕りは早く、略奪は速やかに来る)と書きなさい」と。 2そのためにわたしは、祭司ウリヤとエベレクヤの子ゼカルヤを、信頼しうる証人として立てた。
3わたしは女預言者に近づいた。彼女が身ごもって男の子を産むと、主はわたしに言われた。「この子にマヘル・シャラル・ハシュ・バズという名を付けなさい。 4この子がお父さん、お母さんと言えるようになる前に、ダマスコからはその富が、サマリアからはその戦利品が、アッシリアの王の前に運び去られる。」
神のみを畏れよ
5主は重ねてわたしに語られた。
6「この民はゆるやかに流れるシロアの水を拒み
レツィンとレマルヤの子のゆえにくずおれる。
7それゆえ、見よ、主は大河の激流を
彼らの上に襲いかからせようとしておられる。
すなわち、アッシリアの王とそのすべての栄光を。
激流はどの川床も満たし
至るところで堤防を越え
8ユダにみなぎり、首に達し、溢れ、押し流す。
その広げた翼は
インマヌエルよ、あなたの国土を覆い尽くす。」
9諸国の民よ、連合せよ、だがおののけ。
遠い国々よ、共に耳を傾けよ。
武装せよ、だが、おののけ。
武装せよ、だが、おののけ。
10戦略を練るがよい、だが、挫折する。
決定するがよい、だが、実現することはない。
神が我らと共におられる(インマヌエル)のだから。
11主は御手をもってわたしをとらえ、この民の行く道を行かないように戒めて言われた。
12あなたたちはこの民が同盟と呼ぶものを
何一つ同盟と呼んではならない。
彼らが恐れるものを、恐れてはならない。
その前におののいてはならない。
13万軍の主をのみ、聖なる方とせよ。
あなたたちが畏るべき方は主。
御前におののくべき方は主。
14主は聖所にとっては、つまずきの石
イスラエルの両王国にとっては、妨げの岩
エルサレムの住民にとっては
仕掛け網となり、罠となられる。
15多くの者がこれに妨げられ、倒れて打ち砕かれ
罠にかかって捕らえられる。
主を待ち望む
16わたしは弟子たちと共に
証しの書を守り、教えを封じておこう。
17わたしは主を待ち望む。
主は御顔をヤコブの家に隠しておられるが
なおわたしは、彼に望みをかける。
18見よ、わたしと、主がわたしにゆだねられた子らは、シオンの山に住まわれる万軍の主が与えられたイスラエルのしるしと奇跡である。 19人々は必ずあなたたちに言う。「ささやきつぶやく口寄せや、霊媒に伺いを立てよ。民は、命ある者のために、死者によって、自分の神に伺いを立てるべきではないか」と。 20そして、教えと証しの書についてはなおのこと、「このような言葉にまじないの力はない」と言うであろう。 21この地で、彼らは苦しみ、飢えてさまよう。民は飢えて憤り、顔を天に向けて王と神を呪う。 22地を見渡せば、見よ、苦難と闇、暗黒と苦悩、暗闇と追放。 23今、苦悩の中にある人々には逃れるすべがない。
ダビデの位
先に
ゼブルンの地、ナフタリの地は辱めを受けたが
後には、海沿いの道、ヨルダン川のかなた
異邦人のガリラヤは、栄光を受ける。