民数記 4:1-6:27
ケハトの氏族とその務め
1主はモーセとアロンに仰せになった。
2レビの子らのうち、ケハトの子らの人口を、氏族ごとに、家系に従って調査しなさい。 3それは臨在の幕屋で作業に従事することのできる三十歳以上五十歳以下の者である。 4ケハトの子らの仕事は、臨在の幕屋と神聖なものにかかわる。 5まずアロンとその子らは、宿営の移動に当たって、そこに来て、至聖所の垂れ幕をはずし、それで掟の箱を覆い、 6その上にじゅごんの皮の覆いを掛け、その上から青い一枚布を広げ、担ぎ棒を差し入れる。 7また、供え物の机の上に青い布を広げ、そこに皿、柄杓、水差し、ぶどう酒の献げ物に用いる小瓶、日ごとのパンを置き、 8これらに緋色の布を掛け、更にそれをじゅごんの皮の覆いでおおい、担ぎ棒を差し入れる。 9また、青い布を取り、燭台とそのともし火皿、芯切り鋏、火皿およびそれに用いられるすべての油の器を覆い、 10その燭台とすべての祭具をじゅごんの皮の覆いの中に入れ、担ぎ台に載せる。 11また、金の祭壇に青い布を掛け、じゅごんの皮の覆いでおおい、担ぎ棒を差し入れる。 12また、聖所で務めに用いるすべての祭具を取り、青い布に包み、それをじゅごんの皮の覆いでおおい、担ぎ台に載せる。 13また、灰をかき出した後、祭壇に紫の布を広げ、 14その上に祭壇で用いるすべての祭具、すなわち、火皿、肉刺し、十能、鉢などすべての祭壇用祭具を載せて、その上にじゅごんの皮の覆いを掛け、担ぎ棒を差し入れる。
15アロンとその子らが、宿営の移動に当たって、聖所とそのすべての聖なる祭具を覆い終わった後、ケハトの子らが来て運搬に取りかかる。彼らが聖なるものに触れて死を招くことがあってはならない。臨在の幕屋からケハトの子らが運ぶべきものはこれらのものである。
16祭司アロンの子エルアザルは、灯油、香草の香、日ごとの穀物の献げ物、聖別の油について、すなわち、幕屋全体とその中のものすべて、聖所とその祭具を管理する。
17主はモーセとアロンに仰せになった。
18あなたたちは、ケハトの諸氏族をレビ人の中から断やしてはならない。 19彼らが神聖なものに近づいたとき、死ぬことなく命を保つために、彼らのためにこうしなさい。すなわち、アロンとその子らが行って、彼らの一人一人をそれぞれの仕事と荷物に割りふる。 20そうすれば、彼らが中に入っても、聖なるものをかいま見ることはなく、死を招くことはない。
ゲルションの氏族とその務め
21主はモーセに仰せになった。
22ゲルションの子らの人口もまた、家系に従って、氏族ごとに調査しなさい。 23臨在の幕屋で務めに就き、作業に従事することのできる三十歳以上五十歳以下の者をすべて登録しなさい。 24ゲルションの氏族が作業をし、荷物を運ぶ仕事は次のとおりである。 25彼らは幕屋の幕、臨在の幕屋とその覆い、その上に掛けるじゅごんの覆い、臨在の幕屋の入り口の幕、 26庭の周りの幕、幕屋と祭壇の周りの庭の入り口の幕、綱、そのために用いられるすべての用具を運搬し、それに伴うすべての作業をする。 27ゲルションの子らが行う運搬や作業などのすべての仕事は、アロンとその子らの指示による。あなたたちが彼らにすべての運搬の任務を与え、守らせねばならない。 28以上がゲルションの子らの諸氏族が臨在の幕屋で行う作業であって、彼らの務めは祭司アロンの子イタマルの監督の下にある。
メラリの氏族とその務め
29メラリの子らについて、彼らを氏族ごとに、家系に従って登録しなさい。 30臨在の幕屋の作業に従事することのできる三十歳以上五十歳以下の者をすべて登録しなさい。 31彼らが臨在の幕屋で行う作業としての運搬の務めは次のとおりである。すなわち、幕屋の壁板、横木、柱、台座、 32庭の周囲の柱とその台座、杭、綱、その他すべての祭具およびそれにかかわる仕事をすることである。あなたたちは、彼らが運搬すべき品を名指しで割り当てなさい。 33以上が祭司アロンの子イタマルの監督の下に、メラリの子らの諸氏族が臨在の幕屋で行う作業のすべてである。
レビ人の人口調査
34モーセ、アロンおよび共同体の指導者たちは、ケハトの子らを氏族ごとに、家系に従って登録した。 35それは臨在の幕屋で作業に従事することのできる三十歳以上五十歳以下の者である。 36氏族ごとに登録された者の数は二千七百五十人。 37これは臨在の幕屋で作業することのできるケハトの氏族で登録された者の総数である。この登録は、モーセを通してなされた主の命令によって、モーセとアロンが行った。
38ゲルションの子らで、氏族ごとに、家系に従って登録された者は、 39臨在の幕屋で作業に従事することのできる三十歳以上五十歳以下の者である。 40氏族ごとに、家系に従って登録された者の数は二千六百三十人。 41これは臨在の幕屋で作業することのできる、ゲルションの子らの諸氏族で登録された者の総数であり、この登録は、モーセとアロンが主の命令によって行った。
42メラリの子らの諸氏族で、氏族ごとに、家系に従って登録された者は、 43臨在の幕屋で作業に従事することのできる三十歳以上五十歳以下の者である。 44氏族ごとに登録された者の数は三千二百人。 45これはメラリの子らの諸氏族で登録された者の総数である。この登録は、モーセを通してなされた主の命令によって、モーセとアロンが行った。
46モーセ、アロンおよびイスラエルの指導者たちが氏族ごとに、家系に従って登録したレビ人は全員、 47臨在の幕屋で作業を行い、運搬の作業をすることのできる三十歳以上五十歳以下の者たちである。 48登録された者の数は八千五百八十人。 49以上は、モーセを通してなされた主の命令によって、一人一人その作業や運搬の仕事に就かせるためにモーセが登録した。彼らは、主がモーセに命じて登録された者たちである。
汚れた者を分離せよ
1主はモーセに仰せになった。
2イスラエルの人々に命じて、重い皮膚病にかかっている者、漏出のある者、死体に触れて汚れた者をことごとく宿営の外に出しなさい。 3男女とも、必ず宿営から出しなさい。わたしがそのただ中に住んでいる宿営を汚してはならない。
4イスラエルの人々はそのとおり実行し、彼らを宿営の外へ出した。主がモーセに仰せになったとおりに、イスラエルの人々は行った。
祭司が受ける分
5主はモーセに仰せになった。
6イスラエルの人々にこう言いなさい。男であれ、女であれ、何か人が罪を犯すことによって、主を欺き、その人が責めを負うならば、 7犯した罪を告白し、完全に賠償し、それに五分の一を追加して損害を受けた人に支払う。 8その賠償を継ぐべき近親がいない場合、その賠償は主のものとなり、祭司が受け取る。このほかに、祭司はその人のために罪の贖いの儀式をする贖罪の雄羊を受け取る。 9同様に、イスラエルの人々が聖なる献げ物として祭司のもとに携えて来る礼物は、すべて祭司のものとなる。 10人がそれぞれ、携えて来る聖なる献げ物は祭司のものとなり、人が祭司に与える物はみな祭司のものとなる。
姦淫の疑惑を持たれた妻の判決法
11主はモーセに仰せになった。
12イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。
ある人の妻が心迷い、夫を欺き、 13別の男と性的関係を持ったにもかかわらず、そのことが夫の目に触れず、露見せず、女が身を汚したことを目撃した証人もなく、捕らえられなくても、 14夫が嫉妬にかられて、事実身を汚した妻に疑いを抱くか、あるいは、妻が身を汚していないのに、夫が嫉妬にかられて、妻に疑いを抱くなら、 15夫は妻を祭司のところへ連れて行く。その際、大麦の粉十分の一エファを、オリーブ油を注がず、乳香も載せずに、妻のための献げ物として携えて行く。これは嫉妬した場合の献げ物、すなわち罪の判定のための献げ物である。
16祭司は女を前に進ませ、主の御前に立たせる。 17祭司は聖水を土の器に入れ、幕屋の床にある塵を取ってその水に入れる。 18祭司はそれから、女を主の御前に立たせ、その髪をほどき、罪の判定のための献げ物、すなわち嫉妬した場合の献げ物を女の手に置く。祭司は自分の手に呪いをくだす苦い水を持つ。
19祭司は女に誓わせてこう言う。
もし、お前が別の男と関係を持ったこともなく、また夫ある身でありながら、心迷い、身を汚したこともなかったなら、この苦い水の呪いを免れるであろう。 20しかし、もしお前が夫ある身でありながら、心迷い身を汚し、夫以外の男に体を許したならば、―― 21祭司は女に呪いの誓いをさせてこう言う――
主がお前の腰を衰えさせ、お前の腹を膨れさせ、民の中で主がお前を呪いの誓いどおりになさるように。 22この呪いをくだす水がお前の体内に入るや、お前の腹は膨れ、お前の腰はやせ衰えるであろう。
女は、「アーメン、アーメン」と言わなければならない。
23祭司はこの呪いの言葉を巻物に書き、それを苦い水の中に洗い落とす。 24その呪いをくだす苦い水を女に飲ませ、呪いをくだす水が彼女の体内に入れば、それは苦くなるであろう。 25祭司は女の手から嫉妬した場合の献げ物を取り、それを主の御前に差し出し祭壇にささげる。 26祭司は献げ物から一つかみをそのしるしとして取り、祭壇で燃やして煙にする。それから、女にその水を飲ませる。 27水を飲ませたとき、もし、女が身を汚し、夫を欺いておれば、呪いをくだす水は彼女の体内に入って苦くなり、腹を膨らませ、腰を衰えさせる。女は民の中にあって呪いとなるであろう。 28しかし、もし女が身を汚しておらず、清いなら、女はこの呪いを免れ、子を宿すであろう。
29以上は、女が夫ある身でありながら、心迷い、身を汚したために、 30あるいは、夫が嫉妬にかられ、妻に疑いを抱いた場合の指示である。男は妻を主の御前に立たせ、祭司は彼女にこの指示どおりのことを行う。 31男は罪を負わない。妻は犯した罪を負う。
ナジル人の誓願
1主はモーセに仰せになった。
2イスラエルの人々に告げてこう言いなさい。
男であれ、女であれ、特別の誓願を立て、主に献身してナジル人となるならば、 3ぶどう酒も濃い酒も断ち、ぶどう酒の酢も濃い酒の酢も飲まず、ぶどう液は一切飲んではならない。またぶどうの実は、生であれ、干したものであれ食べてはならない。 4ナジル人である期間中は、ぶどうの木からできるものはすべて、熟さない房も皮も食べてはならない。
5ナジル人の誓願期間中は、頭にかみそりを当ててはならない。主に献身している期間が満ちる日まで、その人は聖なる者であり、髪は長く伸ばしておく。 6主に献身している期間中、死体に近づいてはならない。 7父母、兄弟姉妹が死んだときも、彼らに触れて汚れを受けてはならない。神に献身したしるしがその髪にあるからである。 8ナジル人である期間中、その人は主にささげられた聖なる者である。
9もし人が思いがけず、突然自分のそばで死んで、献身のしるしである髪を汚したならば、七日目の清めの日に頭をそる。 10そして八日目に、二羽の山鳩ないし家鳩を臨在の幕屋の入り口の祭司のもとに携える。 11祭司が一羽を贖罪の献げ物、他の一羽を焼き尽くす献げ物としてささげ、その人が負った罪を清める贖いの儀式を行うと、その日に髪は清められる。 12その人は改めて、主に献身してナジル人となる期間を定め、一歳の雄羊を賠償の献げ物として携える。最初の誓願期間は無効となる。その人の献身のしるしは汚されたからである。
13ナジル人についての指示は次のとおりである。ナジル人である期間が満ちた日に、彼を臨在の幕屋の入り口に連れて来る。 14その人は献げ物として次のものを主にささげる。焼き尽くす献げ物として傷のない一歳の雄羊一匹、贖罪の献げ物として傷のない一歳の雌羊一匹、和解の献げ物として傷のない雄羊一匹、 15および、酵母を使わずに、オリーブ油を混ぜて焼いた上等の小麦粉の輪形のパンと、オリーブ油を塗った、酵母を入れない薄焼きパンとを入れた籠と、穀物の献げ物とぶどう酒の献げ物である。 16祭司はこれらを主の御前に携えて行き、贖罪の献げ物と焼き尽くす献げ物と、 17雄羊の和解の献げ物を、酵母を入れないパンの籠と共に主にささげ、穀物の献げ物とぶどう酒の献げ物をささげる。 18ナジル人は臨在の幕屋の入り口で献身のしるしである髪をそり、それを取って和解の献げ物を焼く火に燃やす。 19祭司は煮えた雄羊の肩と、籠から酵母を入れない輪形のパンと薄焼きパンを一つずつ取って、献身のしるしである髪をそり落としたそのナジル人の手に置き、 20祭司がそれを主の御前に奉納物として差し出す。それは、奉納物の胸の肉と献納物の後ろ肢と共に、聖なるものとして祭司のものとなる。その後、ナジル人はぶどう酒を飲むことができる。
21以上は、誓願を立てたナジル人の規定である。ナジル人であるゆえに主にささげるべき献げ物のほかに、その人になおささげる力があれば、それに加えることができる。その人は誓願を立てたその誓願どおり、ナジル人であることの規定に従って行わねばならない。
祭司による祝福
22主はモーセに仰せになった。
23アロンとその子らに言いなさい。
あなたたちはイスラエルの人々を祝福して、次のように言いなさい。
24主があなたを祝福し、あなたを守られるように。
25主が御顔を向けてあなたを照らし
あなたに恵みを与えられるように。
26主が御顔をあなたに向けて
あなたに平安を賜るように。
27彼らがわたしの名をイスラエルの人々の上に置くとき、わたしは彼らを祝福するであろう。