放送局の社員だった小国士朗(おぐにしろう)氏は、認知症の高齢者のグループホームを訪問し、そこで皆の間違いを受け入れる姿に感動しました。それをきっかけに、寛容さと多様性を一緒に学ぼうと明るく啓発する方法を考え、その豊かな発想力と創造性によって「注文をまちがえる料理店」というイベントを開催しました。これは、ホールスタッフ全員が認知症患者で、それゆえ、注文を間違えるかもしれない、という一風変わったイベント型レストランです。注文を取る人全員が、記憶障害を抱えています。顧客の37%が注文通りの料理を食べられなかったというので、飲食店の常識からいえば失敗でしょう。しかし、お客は、それを承知で来ているので、「びっくり」の後には、「ごめんなさい」と大笑い。客は満足して帰っていきます。

使徒パウロは、「忍耐し」なさい(エフェ4:2)と書いていますが、私たちは、それが「言うはやすく、行うは難し」だと分かっています。自分と合わない人に我慢して、その人を支えたり、助けたりすることには、多大な努力が必要だからです。しかし、その努力が、自分ではなく神の愛に根ざしているなら、重荷は軽くなり、赦し合ったり、笑い飛ばしたり、という軽やかな生き方に導かれていきます。それは、欲しいものが得られない場所で、誰もが真に願うもの、つまり、あなたがたが受けた召しにふさわしい生き方を得ることです(1節)。