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Amy Boucher Pye

Amy Boucher Pye

エミー・ブシャー・パイ氏は、北ロンドン在住のライターで講演活動もしています。著作にはThe Living Cross: Exploring God’s Gift of Forgiveness and New Lifeがあります。また、Finding Myself in Britain: Our Search of Faith, Home and True Identityで賞を取りました。英国のWoman Alive Book Clubを運営し、牧師館で家族と暮らしています。ブログ(英語)をwww.amyboucherpye.comまたはFacebookかTwitterの (@amyboucherpye)で読むことができます。

寄稿一覧 Amy Boucher Pye

狐を捕らえる

海辺に住む友人と電話で話していると、カモメの鳴く声がバックに聞こえました。私が嬉しそうにそう言うと、彼女は「イヤな生き物」と答えました。海辺の住人にとってカモメは厄介な存在です。それと同じように、ロンドンの住人はキツネを疎ましく思います。私にとって、キツネは、そこらをうろついて臭い糞を残していく動物です。

旧約聖書の雅歌に「狐」が登場します。雅歌は夫婦の愛を表現していますが、それは神と神の民の愛だと解説する学者もいます。花嫁は「狐や小狐」を捕まえてくれるようにと夫に頼みます(2:15)ぶどう畑の実を求めて柔らかい木を引っかき回すかもしれないので、そのように頼んだのです。花嫁は結婚生活を楽しみにしていて、害獣に邪魔されたくありません。

では「狐」は、どのように神と私たちの関係を邪魔するのでしょう。私の場合、色々と引き受けすぎてしまうと、圧倒されて不機嫌になります。また人のいさかいを目にすると、失望したり怒ったりしがちです。私は図らずも「狐」を招き入れてしまったり、忍び込ませてしまったりしたとき、その影響を最小限にしてくださるように主に願います。すると、神の優しい臨在と導きを感じ、神に対する信頼と愛が増していきます。

あなたは自分を神から引き離そうとするものに対して、どのように神の助けを求めていますか。

思いがけない親切

友人がスーパーのレジに並んでいると、前の人が10ポンド(1500円)の割引券をくれました。寝不足で疲れていたせいか、彼女は不意の親切に泣き出し、今度はそんな自分がおかしくて笑ったそうです。思いがけない親切は、疲れ切った心を潤し元気をくれました。そして、赤の他人を通して良くしてくださった主に感謝しました。

落穂拾い

タンザニアの友人ルツの夢は、首都ドドマの荒れ地を再生して、夫に先立たれた女性たちが自活するための農場を作ることです。困窮した人たちの自活を助けるという彼女の夢の基は、神に対する愛です。また、自分の名前はルツ記に由来しているのだから頑張らなくては、とも思っています。

神の手のひらに刻まれた

チャールズ•スポルジョンは1800年代、ロンドンの教会で長い間、牧会していましたが「わたしは手のひらにあなたを刻んだ」と語るイザヤ書49章16節から何度も説教を取り次ぎました。彼は「このようなみことばは、何百回も説教されるべきだ」と言いました。「神の手のひらに…」という真理はあまりにも素晴らしく、私たちにとって、何度も何度も思い返すべきメッセージだからです。

岩の上の家

友人が数年前に買った家のリビングが沈み、壁にひびが入り、窓は開かなくなりました。手抜き工事で建て増しされ、土台が無いことが分かりました。土台を敷く数か月間の工事の後、完成した家を訪問すると、壁のひびは消え、窓は開きましたが、見た目に違いはありません。しかし土台が肝心ということは明白です。

イエスにお目にかかりたい

ある女性の告別式で説教壇から祈りをささげていると「先生。イエスにお目にかかりたいのですが」(ヨハ12:21)と記した額が目に入りました。今、見送る人の人生に、私たちがイエスを見ていたことを思い出し、何と相応しいみことばかと感動しました。彼女の人生には困難も挫折もありましたが、その信仰は揺らぎませんでした。神の御霊が彼女の内に住んでいたので、私たちは彼女にイエスを見ました。

理解し難い神秘

友人と散歩をしながら、聖書のみことばに祝福されるという話をしていました。しかし、友人が「でもね、旧約聖書はあまり好きではないの。難しいし、報復したりするでしょ。イエスはどこに行ったのって思っちゃう」と言うので、私は驚きました。

悲しみのトンネル

親友を交通事故で亡くしたのは19歳のときでした。それから数か月間、悲嘆にくれて生きていました。前途洋々とした年若い友を失った心の痛みで、周りのことが目に入らないこともありました。辛くて悲しくて、神さえ見えなくなりました。

最高の贈り物

実家で休暇を過ごし、ロンドンの自宅に戻る荷造りをしていると、母が自分の指輪を持って来ました。プレゼントだと言うので「どうして?」と尋ねると、「あなた、この指輪がずっと好きだったでしょ。そろそろ似合うと思うわ。もう私の指には合わないし、私が死ぬまで待つことはないわ」と言いました。それは思いがけない贈り物でしたが、母の少し早い形見分けです。私は喜んで受け取りました。