寄稿者

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Bill Crowder

Bill Crowder

ビル ・ クラウダー氏は、コンテンツ部門の責任者です。Discovery Series (探求の書シリーズ) や Discovery House Publishers に数多くの著書があります。クラウダー氏と妻マーリーンには 5 人の子どもと数人の孫があります。

寄稿一覧 Bill Crowder

忘れられた 思い出

最近、幼なじみが中学時代の陸上部の写真をメールしてくれました。粒子の荒い白黒写真には、ぼんやり覚えている当時の仲間たちと、ふたりのコーチが写っていました。それを見た瞬間、800メートルや1,500メートルを走っていた当時の幸せな記憶がよみがえってきました。それは楽しい思い出でした。しかし、自分はいとも簡単にそれらを忘れ、次に進んでいったんだ、とも思いました。

栄誉の冠

イギリス王室の戴冠宝器は、ロンドン塔の地下で厳重に保管され、24時間態勢の警備が敷かれています。毎年、何百万人もの人がこの宝物の展示を見学しに訪れ、きらびやかな宝に息をのみ、見ほれます。戴冠宝器は王家の権力の象徴であり、これらを身につける人の地位と威光をも象徴しています。

カンガルーとエミュー

オーストラリア固有の動物であるカンガルーとエミューには、後ろに進むことは滅多に無いという共通点があります。カンガルーの体形と長い尾は前に飛び跳ねるためには好都合ですが、後ろに下がろうとするなら大変です。エミューは力強い足で速く走れますが、その膝の関節の構造は後ずさりに向いていません。そういうわけで、この二種類の動物は、常に前進していくことを表す象徴として、オーストラリアの国の紋章に描かれています。

ふさわしい名前

東南アジアにインドネシアという国があります。インドネシアという国名はふたつのギリシア語の単語を合わせたもので「島」を意味します。インドネシアは190万平方キロメートルの領域に1万7千500の島が点在している島国なので、まったくもってふさわしい国名です。

ゆっくりと癒される

息子のマークはアメリカ陸軍に入隊しましたが、4週間後、訓練中に膝に大怪我をして除隊になりました。マークはまだ19歳でしたが、しばらくの間、杖を使わなければ動き回ることができませんでした。怪我の状態は深刻でしたから、回復と休養、そしてリハビリに2年間もかかりました。そして、事故以来ずっと着けていた膝の補助具を、やっと外すことができたのです。膝の痛みはまだ残っていますが、ゆっくりと時間をかけて治療した結果、自分の足だけで普通の生活ができるようになりました。

感謝の涙

夫婦で聖餐式に参加したときのことです。一人ひとりが前に進み出て、パンと杯を長老か牧師から受け取ってくださいと言われました。牧師や長老たちは、一人ひとりに「イエスがあなたのために犠牲になってくださいました」と語りかけました。聖餐式は型どおりの習慣になりがちですから、このような特別なやり方で聖餐にあずかって、私たちは感動しました。席に戻ってから、ゆっくりと静かに通り過ぎる人たちを見ると、目に涙を浮かべている人が少なからずいました。礼拝の後で数人の友人は、感謝で目が潤んだと言っていました。

問いつめられる

アメリカの南北戦争で北軍将校だったルー・ウォーレスは戦後、列車の中でかつての同僚、ロバート・インガーソルに会いました。ウォーレスはクリスチャンでしたが、インガソールは不可知論者として有名でした。ふたりの会話が信仰のことになったとき、ウォーレスは、インガソールの投げかける問いや疑いに自分は答えられないことを悟りました。そして、自分の信仰についてよく分かっていないことを恥じて、答えを見つけるために懸命に聖書を調べました。その結果が、あの有名な歴史小説「ベン・ハー:キリストの物語」です。彼はこの物語の中で、イエスが救い主であることを確信を持って告白しています。

見誤る

末弟スコットは、私が高校3年生のときに生まれました。彼が大学に入ったとき、この年齢差のために面白いことになりました。登校初日、私と母は、スコットにつきそって大学に行きました。するとみんなは、スコット・クラウダーと彼の父、そして祖母がやって来たと思いました。私たちは間違いを正そうとしましたが、結局、あきらめてしまいました。何を言っても無駄だったのです。私たちの本当の関係は、彼らの勘違いに取って代わられてしまいました。

友を得る

ソーシャルメディアの急速な普及は、皮肉にも、人間の孤独を深めています。あるオンラインニュースは、次のように警告します。「過度なネット依存や、ネット上のみにつながりを求めることは危険であるという見方がある。それによると、ネット上の仮想の友だちは実際の友だちの代わりにはなれず、そうしようとすると、さらに孤独や憂うつを感じるという。」