十字架のことば
自分の価値を口で告げられて学ぶ人はいない、とティム・ケラー牧師は語ります。行動で示されなければなりません。行動は言葉よりも雄弁だという格言が反映される一例です。伴侶の話に耳を傾け、大切にすることで、相手の価値を示します。愛情を注いで世話をすることで、親は子どもに「あなたが大切だ」と知らせることができます。コーチは選手の成長に投資することで潜在能力があると伝えます。一方、苦痛の種になる否定的なメッセージも行動によって伝えてしまいます。
平和の道具
第一次世界大戦が勃発したとき、英国の外務大臣エドワード・グレイ子爵は、「ヨーロッパ全土で灯りが消えていく」と言いましたが、そのとおりでした。「すべての戦争を終わらせるための戦争」の終結までに、民間人を含めた2千万人が戦死し、2千百万人が負傷しました。
大蛇と戦う
大蛇と戦ったことがありますか。作家ユージン・ピーターソンは、無い人はいないと思っています。彼の著書『長年、同じ方向に従っていくうちに』(未訳)は、「大蛇は恐怖の投影だ。自分に害を及ぼすかもしれない…、力の差が歴然たるもの」だと語ります。そして、人生は「大蛇」、すなわち大病や突然の失業、結婚生活の破綻、子どもの非行、疎遠な親子関係など、大きな危険をはらんでいるといいます。人はもろく、ひとりでは立ち向かえません。
別れと出会い
弟のデービッドが心不全で突然亡くなって、私の人生観は一変しました。彼は、7人兄弟の4番目でしたが、一番先に逝ってしまいました。予期せぬ死別は、私に熟考を促しました。歳を重ねると、家族にとって、将来は得ることより失うことが多いのは明らかです。出会いと同じくらい別れがやってくるでしょう。
主の死が命を生む
ジョアンナ・フランダース・トマスは、南アフリカの刑務所で人を造り変えるキリストの力を体験しました。フィリップ・ヤンシーの著書「隠された恵み」によると、ジョアンナは、赦しと和解のシンプルな福音のメッセージを携えて毎日、受刑者を訪問しました。やがて、彼らに信頼され、幼少期の虐待などを打ち明けられ、暴力以外でいさかいを解決する方法を教えました。彼女の訪問が始まった前年は、受刑者同士や受刑者と看守の間の暴力事件が279件もありましたが、その年にはわずか2件になったのです。
多様性
ジャーナリストのグリン・ロバーツは1933年、「ロンドンの最大の長所は、民族、人種、言語のオンパレードであること」と語りました。それは今日でも変わることなく、この町は様々な臭い、音、景色が混在して国際色豊かです。この多様性の美しさは、ここが世界屈指の魅力ある街と言われる理由のひとつです。
導きが必要
研究者のケネス・ベイリーにとって、アンクル・ザキはただの友人ではありません。危険なサハラ砂漠の旅における頼みの綱でした。ベイリーと仲間たちは、案内人のアンクル・ザキに服従しました。彼らの態度は「我々は行く道を知らない。万一、あなたが道に迷ったら、ともに死ぬ覚悟だ。我々はあなたを100パーセント信じて、その指示に従う」と表明していました。
共同体の記憶
神学者リチャード・モウは「求め続ける信仰」(原題:Restless Faith)の中で過去から学ぶことの重要性を語り、「健全な国家は『記憶の共同体』でなければならない」という社会学者ロバート・ベラーの言葉を引用しました。思い返すことは、絆をつなぐ共同体の大切な営みです。
歌う革命
革命に必要なものは何でしょう。銃や爆弾、ゲリラ行為でしょうか。エストニアでは歌でした。ソ連に併合されて数十年。愛国心をかき立てる国歌、聖歌、民謡などを歌う運動が1980年代後半に起こり、そこから生まれた「歌う革命」は、1991年の独立に貢献しました。「これは暴力的な占領をくつがえす非暴力革命だった。…しかし、エストニア人にとって歌うことは、50年にわたるソビエトの統治に耐えている間も、自分たちをひとつにする力だった」とネット上に書かれています。