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Cindy Hess Kasper

Cindy Hess Kasper

シンディ・ヘス・キャスパー氏は、RBCミニストリーズで40年以上勤続しています。Our Daily Journey(若者向けデボーションガイド)の副編集長です。キャスパー氏は2006年に「デイリーブレッド」の著者に加わりました。キャスパー氏と夫トムには、成人した子ども3人と孫が7人あります。

寄稿一覧 Cindy Hess Kasper

鉛筆戦争

小学1年生の時の先生は、私の鉛筆の持ち方が間違っているといって、どのようにすべきか見せてくれました。私は、先生が見ている時は言われた通りにしましたが、彼女の目の届かないところでは、自分の持ちやすいように持って書きました。

心にある恵み

数年前のことですが、ワシントンの晩餐会で、ピーター・チアレリ陸軍大将(当時、米国陸軍副参謀総長)を給仕係と間違えた大統領顧問がいました。チアレリ副参謀総長がユニフォーム姿で後ろに立っていたので、ウエイターと勘違いして飲み物を頼んだのです。すぐに自分の間違いに気づきましたが、何と恥ずかしいことでしょう。しかし、チアレリ氏は恐縮する彼女のグラスに機嫌良く飲み物を注ぎながら、いつか家族で夕食をしようと優しく誘いました。

失敗は破滅ではない

チャーチル首相は第二次世界大戦中、国民を鼓舞することに長けていました。1940年6月18日、彼は恐れる民衆にこう語りかけました。「ヒットラーは、我々を倒さなければこの戦争に負けると知っている…よって、腹をくくって、大英帝国が数千年つづいたとしても、『あれが彼らの最盛期だった』と人々が言うようになると決意を固めよう。」

誰でも自分の盛んなときを覚えていてもらいたいものです。使徒ペテロの最盛期は恐らく、「あなたは、生ける神の御子キリストです」と信仰を告白したときでしょう(マタ16:16)。他方、私たちは自分の失敗によって自分の器の大きさを決めてしまいがちです。ペテロは繰り返しイエスを知らないと言い、外に出て、苦い涙を流しました (マタ26:75ヨハ18章)。

私たちもペテロと同様、神の基準に届く者ではありません。信仰、人間関係、罪の克服、神に対する忠誠や従順、どれをとってもそうです。しかし、チャーチルの名言にあるように、失敗は破滅ではありません。感謝なことに、霊の生活においても同様です。イエスは、自分の失敗を悔い改めたペテロを赦し(ヨハ21章)、彼を伝道者として用いて、多くの人をご自分のもとに導かれました。

失敗は破滅ではありません。神は帰って来る人をいつくしみ、挽回させてくださいます。

涙の贈り物

友人がお母さんを亡くしたと聞いて、電話をしました。私の母も親しかったのですが、今はふたりとも故人です。話し始めるとすぐに、様々な感情が押し寄せて来ました。別離の悲しみだけでなく、親切で愉快な彼女の人柄を偲ぶ泣き笑いの涙もありました。

同じ舟に乗って

そのクルーズ船が港に入ると、乗客たちは急いで下船しました。船内では数日前からウイルスが大流行し、何百人もの乗員乗客が病気になっていたからです。インタビューを受けたある乗客は、「でも文句を言っても仕方ないでしょう。同じ船に乗り合わせたのですから、運命共同体です」と言いました。

トレイル・ツリー

ミシガン州の北部に住む娘は、その地に住んでいた先住民の歴史に熱心です。ある夏の午後、娘のところに行くと、彼女は「トレイル・ツリー」と呼ばれる道案内の木を指さして言いました。その木は奇妙な形をしていますが、昔からの言い伝えによると、先住民が若木を曲げて道案内に用いたところ、そのままの形で成長していったといいます。

そう見えなくても

夫が心筋梗塞の発作を起こしましたが、事なきをえました。私たちは神に、彼の生命を救ってくださったことを何度も感謝しました。それから数ヶ月間、多くの人が妻の私に声をかけてくれましたが、私はいつも、「恵まれていると感じているわ」と応じていました。

置き去りにする

息子が18歳になって運転免許を取得し、自分ひとりで財布を持って出歩くようになってから一年くらいの間、彼が置き忘れた財布を見つけたという電話が何度もかかってきました。私たちは息子に、財布を置きっぱなしにしないように気をつけなさいと注意しました。

進行中の働き

パブロ・カザルスは20世紀前半の卓越したチェロ奏者です。その上、90歳を超えても現役でした。あるとき若い記者が、「カザルス先生、あなたは95歳で、史上最も偉大なチェロ奏者です。そんなあなたがなぜ、1日に6時間も練習するのですか」と尋ねました。