主人に従う
近所で開催されたドッグショーで、トレバーという名のコーギーのパフォーマンスを見ました。トレバーは主人の命令に従って、数メートル走るや否やくるっと向きを変えて戻ってきたり、フェンスを飛び越えたり、嗅覚を用いて何かを当てたりしました。トレバーはひとつの競技が終わると主人の足元に戻ってきて、座って次の指示を待ちました。
正義の親指
アフリカの寓話によると、昔、4本指と親指は手の中で一緒に暮らしていました。5本の指は切っても切れない仲でした。ある日、指たちは自分たちの隣に金の指輪があることに気付き、それを自分たちのものにしようと図りました。親指は指輪を盗むのは間違っていると言いましたが、他の指たちは、親指は独善的で臆病だといって、もう友だちではないと言いました。親指は、それならそれで良いと思いました。彼らの悪さにかかわりたくなかったからです。言い伝えによると、親指はそういうわけで、今も他の4本の指と離れているということです。
生きた橋
インドのチェラプンジ市の人々は、数多くの河川に独特な方法で橋を掛けてきました。ゴムの木を根づかせて育て、その木自体を橋にするのです。この「生きた橋」は、しっかりとした「大人」になるまで10年から15年かかりますが、ひとたび安定すると非常に安全な橋となり、耐久年数は数百年におよびます。
成長の記録
もし引っ越すことがあったとしても、台所のドアは外して持って行きたいと思います。そこには、子どもたちの成長の記録が残っているからです。私たち夫婦は数ヶ月ごとに、このドアを背にして子どもたちを立たせ、背比べをして印をつけてきました。その成長の記録によると、娘は一年の間に10センチも身長が伸びました。
上からの知恵
化学の授業中にその実験を行ったら、「優」がもらえたかも知れません。それなのに高校生のキエラ・ウィルモットは、爆発物使用容疑で起訴されました。彼女は先生に実験の許可をもらうつもりでしたが、そんなことはせずにやってしまおうと友人たちに説得されたのです。プラスチックのびんの中で薬剤を混ぜると爆発が起こりました。こうして不本意ながら、騒ぎを起こしてしまいました。
冷静に、 戦い続けよ
落ち着いて〇〇しなさい、という言い方をよく聞きます。静かにするとか、注意して行うとか、あわてずに助けを呼ぶなどというとき、このように言います。この言い回しは第二次世界大戦中の英国のスローガン、「落ち着いて、そして戦いつづけよ!」に端を発します。第二次世界大戦が始まった1939年のポスターに登場しました。イギリス政府は、戦況によって国民がおびえたりパニックに陥ったりすることを防ごうとしたのです。
終わりからの見方
儲かっていたリチャード・ルミューの出版社は、その一年後に倒産してしまいました。彼はまもなく財産を失い、うつになりました。ついには、アルコールに溺れ、家族も去っていきました。最悪のときは、ホームレスで心身ともに衰弱し、極貧状態だったといいます。この時期に、彼は神を求めました。その後、彼は立ち直り、自分の学んだことを一冊の本にまとめました。
雪のように白く
息子を車で学校に迎えに行って帰る途中、雪が降り出しました。白く綿花のようにふわふわした雪が、どんどん落ちてきます。車の流れは悪くなり、結局、渋滞になって身動きがとれなくなりました。車の中から見ていると、景色が変わっていきます。建物の尖った輪郭は、少しずつ丸みを帯びていき、黒い土の表面や沿道の木々、周りの車は雪化粧をしていきました。
誰の手柄か
クリス・ランガンは、アルバート・アインシュタインより高いIQの持ち主です。ムスタファ・イスマイルの上腕二頭筋は約80センチで、約270キロを持ち上げます。ビル・ゲイツの資産総額は数兆円だと言われています。並外れた才能や莫大な財産を持っていると自分を過大評価しがちかもしれませんが、そうでなくとも、私たちはみんな自分の功績を認めてもらいたいと願っています。どんなに小さなことでも成果が上がると、人の心には「誰の手柄だろう」という疑問がわきます。