寄稿者

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John Blase

John Blase

ジョン・ブレイズ氏は、説教者として10年以上の経験を経て、執筆を始めました。コロラド州コロラドスプリングスにあるWaterBrook & Multnomah Publishersにて開発編集者として働いています。アメリカ南部出身ですが、現在は西部在住です。著書に、The Jubilee: Poems; Know When to Hold‘Em: The High Stakes Game of Fatherhood; Touching Wonder: Recapturing the Awe of Christmas; and All Is Grace: A Ragamuffin Memoir等があります。ブレイズ氏は、美しい妻と妻に似た3人の子どもに恵まれて幸せ者だと言います。

寄稿一覧 John Blase

神の恵みは十分です

フラナリー・オコナーは、米国南部を代表する小説家の一人で、人の苦しみと神の恩寵(おんちょう)を描いています。15歳で最愛の父を難病で亡くしました。小説を書くことに没頭して傷心に耐え、最初の小説を発表しました。そして父と同じ病を患い、39歳の若さで亡くなりました。彼女の作品には自身の苦悩が色濃く反映されています。作家のアリス・マクダーモットによれば「この病が、彼女を彼女たる作家にした」のです。

結局、最後には

アイルランドの聖ブレンダンを題材にしたフレデリック・ビュークナーの小説で、主人公が仲間の修道士ギルダスの片足は、膝から下がないと気付く場面があります。ギルダスはつえを取ろうとしてバランスを崩し、ブレンダンが支えます。ギルダスは、「私は闇に包まれた世界と同じぐらい傷ついている」と言います。ブレンダンは答えます。「もしそうなら、私とて同じだ。倒れそうになったら互いに手を貸し合う。結局のところ、それが唯一の意味ある働きなのだろう」

憐れみを求めて

ナイトバードの愛称でファンに親しまれていたシンガーソングライターのジェーン・クリステン・マルチェフスキは、2017年に乳がんと診断され、翌年に寛解、数カ月後に再発、そして余命宣告を受けました。ところが驚くべきことに回復し、2021年、テレビの人気オーディション番組で全米の注目を集めました。しかし、2022年2月19日、天に召されました。

神の品性

プロパティという言葉から何を思い浮かべますか。不動産関係者は、土地や建物、設備を含めた不動産を思い浮かべるでしょう。IT関連では、パソコンの基本的な情報などの属性を、質感や耐久性など、品質に関わる特性のことを意味する業界もあります。

それは恐ろしい

ユダヤ人の哲学者イェフダ・ハレヴィが千年以上前に書いた詩が、20世紀に翻訳されました。「それは恐ろしいこと 死が触れるものを愛することは」と始まり、その恐れの裏にあるものも「愛すること……そしてああ、失うこと」と明示しています。

後悔のない人生

看護師のブロニー・ウェアは、終末期の患者と過ごす中で、「もし、もう一度やり直せるとしたら、何をどう変えますか」と尋ねたそうです。すると、多くの人に共通する後悔がありました。そのトップ5は、次のとおりです。(1)自分に正直に生きる勇気があればよかった。(2)あんなに働き過ぎなければよかった。(3)自分の感情を表に出す勇気があればよかった。(4)友人関係をもっと大切にすればよかった。(5)もっと自分の幸せを考えればよかった。若くて元気な時には気付かなかったり、実現できなかったりしたことかもしれません。

信仰生活のジレンマ

平均的な人は、1日に150回、スマホをチェックしますが、注意を引くものが常に良いものとは限らない、とトリスタン・ハリス氏は信じています。『監視資本主義:デジタル社会がもたらす光と影』は、ソーシャルメディアの世界を作り上げたデジタル界の有名人たちを取り上げたドキュメンタリー映画ですが、その中でハリス氏は、他の登場人物と共に、現状は「ソーシャルジレンマ」だと警鐘を鳴らしています。彼は言います。「私たちの注目が、商品として広告主に売られています。私たちが売り物なのです」

イエスによる平和

綱渡り芸人のフィリップ・プティは、1971年、パリのノートルダム大聖堂の塔の間で綱渡りをして有名になりました。3年後、当時のニューヨークの摩天楼の象徴だったツインタワーの間を無断で渡り、逮捕されました。しかし1987年、彼はエルサレム市長テディ・コレックに招待され、イスラエル・フェスティバルの一環として、ヒンノム谷で綱渡りをしました。綱の中ほどでは、平和の美しい象徴として鳩を放ちました。危険で風変りな離れ業でしたが、大義名分は平和でした。「全群衆が一瞬、互いの違いを忘れていた」と後に語っています。

なお実を結ぶ

こんな民話があります。毎日、長いさおの一方には新しく丈夫なおけ、もう片方には古いひびの入ったおけをかけて、川に水くみに行く女の人がいました。家に帰ると、新しいおけは水でいっぱいなのに、古いおけは、ほとんど空でした。古いおけは、申し訳ないと謝りました。彼女は振り返り、通ってきた道を指さして言いました。「古いおけさん、見てごらん。あなたが通った道にはたくさん花が咲いている。あなたが水をあげて花の小道を作るから、この水くみ仕事も苦にはならないわ」