寄稿者

すべて見る

寄稿一覧 Tom Felten(ゲスト寄稿者)

道義的責任

友人をちらっと見て、私と同じく、恐れていると分かりました。2人が10代の頃のことです。キャンプで悪さをして、リーダーに呼び出されました。私たちの父親をよく知る人で、「お父さんを悲しませることをしたのだよ」と、静かにきっぱり言いました。私たちは道義的責任を突きつけられ、穴があったら入りたいと思いました。

従う自由

フィギュアスケート選手として類を見ない成功を納めた少女の顔に、不安と恥が表れていました。2022年の冬季オリンピックを控え、一連の好成績により金メダル獲得を確実視されていたのに、体内から禁止薬物が検出されたのです。絶大な期待とごうごうたる非難の重圧で、フリーの演技では何度も転倒し、勝利もメダルも逃しました。氷上での自由と創造性は、規則違反への非難に破壊されてしまいました。

恵みと変化

凶悪事件の犯人が終身刑になりました。独房の中の年月、彼のたましいに癒やしと改心が始まり、ついに悔い改めて、イエスを救い主と信じるに至りました。最近は、他の受刑者との交流が一部、許可されています。神の恵みにより、彼の証しによって、キリスト信仰に導かれる受刑者も出現しました。彼らもまた救われたのです。

きよさは見かけではない

ホセはイエスを受け入れると、弟の通う教会の礼拝に行きました。弟は兄の顔を見るなりうつむきました。Tシャツから入れ墨だらけの両腕がむき出しだったからです。それはホセの過去を表していたので、弟は、長袖のシャツを来て出直してほしいと言いました。ホセは突然、自分は汚れていると感じました。近くで2人のやり取りを聞いていた人が、ホセを牧師のところへ連れて行き、事情を話しました。すると牧師はほほ笑んで、自分のシャツのボタンを外しました。すると胸には大きな入れ墨。彼の過去を示していました。牧師は、神は内側からホセをきよめられたのだから、腕をおおう必要はないと言いました。

小さな始まり

一般に「世界の七不思議」といえば、7つの古代建造物ですが、ブルックリン橋は、1883年の完成当時、8番目の不思議と言われました。しかし実際は、橋塔から橋塔に張られた細い1本のワイヤーで始まりました。やがて、各々5千本以上の亜鉛メッキのワイヤーをより合わせた巨大な4本の鋼索による吊り橋が完成しました。

信仰によって堅く立つ

ノキア社は1998年、売上世界一の携帯電話会社となり、翌年の利益は5千億円に迫る勢いでした。しかし、2011年までに業績は悪化、やがてマイクロソフト社に買収されました。その失敗の一端は、恐れに支配された企業風土でした。責任者たちは解雇を恐れて基本ソフトなどの問題点を報告しませんでした。この決断が破滅を招いたのです。

警告音

ガラガラヘビと遭遇した経験がありますか。もしあれば、蛇に近づくにつれて、ガラガラという音が激しくなるのに気付いたでしょう。学術雑誌『カレントバイオロジー』に掲載された論文によれば、この蛇は敵が近づくと音を増幅させ、実際より近くにいるように見せかけるといいます。「聞き手に距離を誤解させ……安全な距離を確保する」そうです。

分別のない行動

バスケットボール部の練習の後、友達の車を追走して飛ばしていました。しかし、大雨の中、ワイパーがフロントガラスを拭いて視界が開けた瞬間、友人のセダンが停車しているのが見えたのです。驚いて急ブレーキをかけると、車はスリップして大木に激突し、大破しました。数日後、病院の集中治療室で目覚めました。神の恵みで助かったのですが、無分別な行為の代償は小さくありませんでした。

災害によって立ち返る

北ヨーロッパは、1717年、大洪水に見舞われました。オランダ、ドイツ、デンマークで1万4000人が亡くなりました。オランダのフローニンゲン州の歴史資料には、興味深い、しかし、当時としては当然の対応が記されています。当局は「祈りの日」を呼びかけ、市民は教会に集い、説教を聞き、詩篇を歌い、何時間も祈ったと記録されています。