絶望する人の祈り
チャールズは孤立感に苛まれていました。家族を養っていく重圧に耐えかねて希死念慮に襲われました。驚くべきことに、いや、驚くには及ばないのですが、彼は牧師でした。温かい家庭もありました。友人は、ひたすら詩編を読んで、とアドバイスしました。チャールズは、その助言に従い、医者の適切な治療を受け、心のたけを祈り、うつを克服していきました。
喜びの源泉
看護師ブロニー・ウエアーは末期患者から聞き取った後悔をブログに記しました。あんなに働かなければよかった 、友人を大切にすべきだった、などの中で、最も興味深いのは「もっと上機嫌で過ごせばよかった」かもしれません。ウエアーは、喜びに満たされて生きる秘訣は不可避の死を意識することだと語りますが、その喜びの源泉、人生の意味は、どこにあるでしょう。
人生は不公平か
チャールズ・ディケンズの小説『オリバー・ツイスト』の主人公オリバーは、生後すぐに孤児となりました。生まれた場所は悪名高い救貧院。やがて虐待に耐えかね、そこを逃げ出します。しかし、実は彼は多大な財産の相続人でした。ディケンズはハッピーエンドが好きなようで、オリバーを虐待・搾取した人たちは皆、各々相当に裁かれるか、悔い改めます。その一方、オリバーは「地を受け継」ぎました。私たちの人生にもこの種の正当な結末が待っていればどれほどよいでしょう。
気付き、行動する
アレクサンダー・マクリーンは、労働者階級の町、南ロンドン出身。18歳の時にウガンダの刑務所で死にゆく人の世話をし、見なかったことにはできない現実を見た、とテレビのドキュメンタリー番組で語っています。それはトイレ脇に放置された瀕死の老人でした。その人は数日後、彼に看取られ亡くなりました。マクリーンは、この経験に突き動かされ、帰国して法律を修めるとアフリカに戻り、受刑者の人権擁護を目的とした「ジャスティス・ディフェンダーズ」を設立しました。
洞窟の中で
ケンタッキー州のマンモス・ケーブにつながる巨大地下洞窟に、10代の活発な少年3人組が入っていきました。引率はこの洞窟の危険を熟知しているベテラン探検家のフランクです。ところが少年たちは、彼の「こっちだ!」という言葉を無視して勝手な道を進みます。それでフランクはヘッドランプを弱にして沈黙しました。少年らは彼を見失ったと恐怖に駆られ、フランクの名を呼びましたが、返事はありません。ようやく遠くでまたたく光を見て安堵(あんど)し、引率者に従う気になりました。
絶望的な状況
エイミーとアランの赤ん坊ジェムは、18トリソミー症候群と診断され、生後数日から数週間の命だと言われました。医者は、治療する意味がないと冷たく言い放ちましたが、母のエイミーは「私はあきらめません」と言って娘を連れて帰り、祈り、愛情を注ぎました。
平和を希求する
サビン・ハワードの『兵士の旅』(2024年完成)は、第一次世界大戦に参戦した一人の兵士の歩みを38体のブロンズ像で表すレリーフです。家族と別れるシーンに始まり、戦争に対する世間知らずな高揚感、戦場のおぞましさと続きます。彼は戦後、無事に帰還し、娘が父のヘルメットをのぞき込んでいます。しかし、そのヘルメットには第二次世界大戦を予感させるものが刻まれています。ハワードは、「気高さをのぞかせることも、動物のレベルに堕落することもある」という人間の姿を描こうとしました。
母の回想
ドナは3人の子の母ですが、母の日が大嫌いだったと言います。母としてのふがいなさを意識させられる日だったと言うのです。
最大の証拠は変化
ジャーナリストのリー・ストロベルは、無神論者で、イエスの復活も信じていませんでした。ところが、妻がイエスを信じたことで、彼女の信じる主張を持ち前の分析力で検証しようと思い立ちました。そして調査研究を2年間した後、神に降伏しました。復活とキリスト信仰の信ぴょう性を全面的に受け入れたのです。