優しさという遺産
マーサは小学校の教諭助手として30年以上働く中で、毎年、お金を貯め、新品のコートやマフラー、手袋を貧困家庭の児童に買っていました。彼女は白血病で亡くなり、偲ぶ会に集った人は、お花代のかわりに何百着ものコートを貧困家庭の小学生のために寄付し、故人の数々の温かい思いやりを語り合いました。同僚の教師たちは、マーサを記念するコートの寄付運動を3年間、毎年行いました。マーサは地域に優しさという遺産を遺し、貧しい人に気前よく仕える働きが推進されました。
望みを抱いて待つ
休暇を過ごした町でウェイターのロジェリオと知り合いました。彼は、強い信仰と思いやりに富んだ妻のカリーが、神からのこの上ない贈り物だと語りました。最初の子どもが産まれた後、神はふたりにダウン症の姪の世話を託されました。間もなく、義母を引き取って介護することにもなりました。
秘密の贈り主
退役兵士のクリストファーは身体に障害があり、何をするにも人一倍苦労しますが、家族のために頑張っています。毎週、手押しの芝刈り機で庭の世話をしています。そんなある日、彼は手紙を受け取りました。そればかりか、カート式の高価な芝刈り機もです。送り主は匿名でした。その人は困っている人を助ける特権にあずかれただけで満足だったのでしょう。
新しい視力
左目の手術をした後、視力検査をしました。右目をおおって視力表を見ると、簡単に読めました。次に左目をおおって驚きました。こんなに見えていなかったとは。
ともに働く
ジョーは新設の慈善事業の運営に忙しく、毎日長時間働き、帰宅しても家族と過ごす時間や気力、体力は残っていませんでした。ついに過労で入院し、友人がチームを作って協力しようと申し出ました。しかし、そうなれば、自分の思い通りにいかないことも起こります。でも、このままではどうにもなりません。ついに、神と友人を信じて仕事を分担し、権限を委譲する決意をしました。そして今、神が遣わされた助け無しには、事業の発展も家族の幸福もなかっただろうと語ります。
波に乗る
海岸の岩場からハワイの海の写真を夫が撮っている間、私は大きな岩に座って自分の病状を心配していました。問題に対処するのは旅を終えてからですが、今、平安が必要です。私は、押し寄せ、黒岩に砕ける波を眺めていましたが、ふと、波間の暗い影に気付きました。カメラのズームを使って見てみると、それは波に乗るウミガメでした。大きく手を広げ、穏やかに、じっとしています。私は潮風を受けて微笑みました。
紫のショール
夫や息子たちのいる自宅から遠く離れたがんセンターで母の看病をしたとき、みんなに祈って欲しいとお願いしました。しかし、月日が経つと孤独に力を奪われ、心身ともに疲れて、母の看護を続けられるかしらと不安になりました。
安全と静寂
息子のザビエルは子どもの頃、午後の静かに過ごす時間が嫌いでした。静かにしていると眠ってしまいます。子どもの昼寝は大切ですが、本人は望みません。ゴソゴソと動き回り、ソファから床に下りて、部屋の中を転がったりします。お腹が空いた、喉が渇いた、おしっこ、抱っこ…とぐずります。しかし、母親は昼寝が大切と分かっているので、息子を抱き寄せ落ち着かせます。すると彼は、私にもたれかかって、ついに寝入ります。
光を輝かす
夫婦で遠方に転居することになりましたが、成人した息子たちと疎遠になりたくないので、フレンドシップランプをプレゼントしました。WiFiでインターネットにつながり、遠く離れた場所からでも作動させられるランプです。私が自分のランプに手を触れると、息子たちのランプが点灯し、私の変わらぬ愛と祈りを伝えます。息子たちがランプに触れれば、我が家のランプも点灯します。会うに勝ることはありませんが、それでもランプが点灯するたびに、私たちは互いに愛され祈られていると確認し、励まされるでしょう。