「ヨセフは眠りから覚めると主の使いが命じたとおりにし、自分の妻を迎え入れた…」(マタイ1:24)
婚約者マリアが「聖霊により妊娠した」と聞かされたヨセフの心中は、決して穏やかではなかったでしょう。驚き、困惑、怒り、不安、悲しみなど、様々な感情の嵐が心に吹き荒れたことでしょう。それでも、マリアが姦淫の罪で石打ちにされるのを避けるために、ヨセフは、自分の立場や評判を犠牲にしてでも、彼女を密かに離縁すると決めました。誰かに相談することもできず、一人で悩み抜いた末の苦渋の決断だったことでしょう。
ところが、彼の夢の中に主の使いが現れ、「恐れずにマリアを妻として迎えよ」と告げられます。ヨセフは納得できたでしょうか。心に渦巻いた様々な感情を、きれいさっぱりと拭い去ることができたでしょうか。そうではなかったのでは、と私は想像します。100パーセント納得できないけれど、困惑や、ブルーな気持ちが無いわけではないけれど、それでも神の言葉に従ってみようと決意して、行動したのではないでしょうか。