「女とともに、イエスだけが残された」(ヨハネ8:9)
ある女性が不倫現場で捕らえられ、イエスの元に連れてこられました。告発者たちが「律法によれば石打ちで処刑しなければなりませんが」と迫ったとき、イエスは一言「罪がない者から石を投げよ」と語りました。それを聞いた告発者たちは一人、また一人と去って行きました。
告発者や野次馬たちが立ち去りイエスと彼女だけになるまでに、どれほどの時間がかかったのかはわかりません。その間彼女は、石や罵声がいつ飛んでくるかという恐れ、不倫現場を目撃されてしまった恥、何より「罪を犯してしまった」という罪悪感から、座り込んだまま動けなかったでしょう。顔を上げることもできなかったのではないかと思います。一方、イエスは恥と罪悪感に苦しむ彼女を直視することもせず、「身をかがめて、地面に何かを書き」ながら、まさに適当な距離感で寄りそっておられました。そして彼女の心が開くのを待って「わたしもあなたにさばきを下さない。行きなさい。もう決して罪を犯してはならない」とみことばをかけられました。