「宿屋には彼らのいる場所がなかったからである」(ルカ2:7)
コロナ禍で里帰り出産ができず、近親者のサポートなしで子どもを産まなければならない女性が増えているというニュースがありました。地域のサポートが求められています。
臨月のマリアは夫ヨセフの本籍地ベツレヘムに旅立ちました。その地で出産の日を迎え、本来なら受けられるはずだった家族のサポートがありませんでした。この夫婦に家畜小屋を提供した人物が誰なのかはわかりませんが、出産間近の妊婦の抜き差しならぬ状況を目前に、もっと適切な場所を提供したかったことでしょう。私はきっとそうだったと思います。しかし「場所がなかった」のです。
あ、家畜小屋がある。人目は無く、雨露はしのげる。この夫婦を追い出すことはできない。ああ、でも、あんな所で出産なんて……。宿の主人の心中は複雑だったことでしょう。しかし、悩みつつ決断した彼の善意が、救い主の誕生を可能にしたのです。