祈るべき時
クリスチャンができる最も強力な働きは、祈ることです。パウロによれば、有効なとりなしの祈りは重労働です(コロサイ4:12-13)。旧約聖書時代、国が危機に直面した時、敬虔な指導者たちは国民に祈るよう呼びかけました。それはしばしば、断食を伴いました。国家的な惨事の時にも断食をしました(Ⅱサムエル1:12)。ヨシャパテ王の時代、外国の敵の大軍が攻めてきた時、彼は「恐れた」と記してあります。しかし彼が次にとった行動は、「ただひたすら主に求め、ユダ全国に断食を布告した」というものでした(Ⅱ歴代誌20:3)。私たちは、ヨシャパテのとるべき行動はまず軍隊を召集して戦いに備えることだ、と思うかもしれません。しかし彼は断食を布告し、祈りのために民を集めました。その結果は神の介入とめざましい勝利でした。
どんなに忙しい状況にあっても、私たちの救援活動の大切な働きのひとつは、個人的な祈りと、グループでともに祈る祈りであるべきです。祈りの素晴らしいところは、クリスチャンであれば誰でもできる働きであることです。若くても、歳を取っていても、健康であろうと、ベッドで寝たきりであっても、祈ることはできます。国家的な危機であろうと、地域的な危機であろうと、クリスチャン指導者は人々に祈りと断食を呼びかけるべきです。
今、直面している祈りの課題には次のようなものがあります。
- 愛する人や所有物を失い、苦しみの中にある人々に神の恵みがあるように
- 深い心の傷を負った人々にケアが与えられ、住む家を失った人々の住居の問題が解決するように
- 避難所生活を送る人々の必要が満たされ、女性や子供といった弱い人たちが襲われるようなことがないように
- 今、クリスチャンたちが立ち上がり、奉仕の働きに犠牲的精神をもって関わるように
- 教会にリバイバルがもたらされ、行動とキリストを証することを通して神に栄光を帰すことができるように
- この土地に癒しをもたらすためにどのような働きをすることができるのか、私たち一人ひとりに神の導きがあるように
- 救援活動、復興活動と、それに関わるグループ(特にクリスチャン団体と教会)のために、そして被災地域に資金を分配する権限を持つ政府当局のために
- 汚職、浪費、計画性のなさ、その他救援活動を妨げるあらゆる問題が最小限に抑えられるように
- 復興プロセスを左右する政策を作る、政治的リーダーたちのために
- この国の復興という大きな仕事のために、十分な物資と資金が与えられるように
- この惨事を通して、私たちの国が平和を取り戻せるように
- 神の栄光がますます輝き、人々が神を求め、救いを見いだすように
2004年12月26日、著者アジス・フェルナンド師の愛する母国スリランカを大津波が襲い、壊滅的な被害を与えました。この小冊子は、神を愛する一市民としての彼の考えをまとめたものです。自然災害などの渦中にいる方、支援に携わる方、そして惨状を覚えて心騒がせているすべての方の助けとなれば幸いです。「私はこの文章を、津波の数日後に書いています。……このような状況になると私たちは、聖書の中に励ましと導きを見つけようとします。そして聖書が、私たちに多くのことを語りかけていることを見出します。この小冊子は、スリランカのクリスチャンたちが今、何をすべきか、ということを聖書に基づいて私なりに考えてまとめたものです。さらに原文を改訂し、津波に限らずどのような惨事に直面している人にも役立つようにと考慮しました。」(本文より)