聖書が教える宣教

死を超える真の希望

マンスリートピック
知識 | 2023年9月のトピック

人を支える真の希望を得るには、キリストの十字架と復活という原点に立ち戻る必要がある。近頃、このような言葉が教会指導者たちの間で聞かれます。つまり、死と悪による支配を神が完膚なきまでに打ち砕かれたことを伝える必要性の再認識です。

ここ数十年、このような焦点が失われた教会が少なからずありました。個人的な赦(ゆる)しや、幸せで前向きに生きるためのアドバイスなどを前面に押し出す個人主義に傾倒していました。しかし、コロナ禍になり、皆がそれぞれにつらい思いを抱えて暮らしている中で、幸福について語っても人の心には響かないと気付き始めたのです。

罪と死は、この世に大きなダメージを与えます。人には、そのダメージを帳消しにするほどの希望が必要です。死を超える真の希望です。

それが福音です。福音とは、罪と死によって傷つけられた世界を、イエスの十字架と復活によって、神が贖(あがな)い出す物語です。この福音を世界に分かち合いなさい、と神は恵みによって、私たちを招いてくださいます。

「被造物自体も、滅びの束縛から解放され、神の子どもたちの栄光の自由にあずかります」(ローマ8:21)。これは良い知らせですが、罪と死の圧倒的な支配と抑圧という悪い現実を直視して初めて、それが驚くほどの恩ちょうであると理解することができます。

己の中にある被造物の「うめき」を吐露しながらも(22節)、「主イエスは生きておられる!」という良い知らせを体験できるのです。死から輝かしい復活のいのちへと導いてくださる主を体験させていただきましょう。

デイリーブレッド寄稿者Monica La Rose

キリスト者は、神の壮大な働きに加わるよう召されています。イエスから与えられた使命を理解するために、聖書の物語の展開はどう役立つでしょう。
【このテーマは今月の以下のエッセーでも取り上げています。】
1日 神の壮大な物語
8日 予想外のことをなさる神
15日 預言者のメッセージ
22日 美しく回復