望みをつなぐ錨
私はカナダのオンタリオ州ライス湖で、ポンツーンボートという釣り用の小舟に乗って、ブルーギル釣りをしていました。フランクとテッドも一緒でした。その日、魚の食いつきは最高でした。私たちは、忙しく餌をつけては釣り上げる、というのを繰り返しましたが、少しずつ手応えが悪くなっていると感じました。そしてその理由が、ボートが元々のポイントから動いているためだと気づきました。私たちの小舟は、錨(いかり)がしっかりきかずに湖底を滑り、強い風にあおられて流されていました。私たちは錨を引き上げて元のポイントへ戻り、再び錨をおろしました。ところが、また流され、三度試した後、あきらめて岸へ戻りました。錨を固定できなかったのです。