普通の日
博物館で「ある日のポンペイ」という展示を鑑賞しながら、そこで繰り返されるテーマにはっとしました。それは、紀元79年8月24日が、何の変哲もなく普通に始まった一日だった、ということです。当時のポンペイは、人口2万人を有するローマ帝国の港町として栄えていました。町の人々は、家庭や市場、そして港で、変わらぬ日常を過ごしていました。午前8時頃、近くのヴェスヴィオ山から、いくつかの小さな噴煙が目撃され、午後になって火山の大噴火がありました。それから24時間も経たないうちに、ポンペイ市は市民もろとも、深い火山灰の下に埋もれてしまいました。まったく予期せぬ出来事でした。