統計上の数字には注意が必要です。数字は客観情報ですが、時として、対象となっている状況をしっかり捉えることを疎外します。最近、ある統計を見て、このことに気づきました。それによると毎年1,500万もの人が餓死しています。背筋が寒くなるような状況ですが、私たちのように物の豊かな社会に暮らしていると、それがどういうことなのか、まったく想像ができません。
ゲーリーは裁判所で自分の訴訟の順番を待っていましたが、その間、自分の家を没収されようとする人たちの訴えを次から次へと聞いていました。ほとんどの人は、訴訟手続きが分かっているようでしたが、ひとりの女性は当惑した顔をしていました。レスリーというこの女性は、自分が何をすべきなのか、どこに助けを求めたらよいのか、まったく分からないようでした。