もし人をえこひいきするなら、あなたがたは罪を犯しており、―ヤコブ2：9

その人の顔は垢でよごれ、長い髪は汚らしく、服にはビールのしみがついていました。彼の周りには悪臭が漂っています。この人が礼拝堂に足を踏み入れると、主日礼拝に来ていた教会の人たちはみんな、知らんぷりをしました。彼は、説教壇に近づいていきます。そして、かつらを脱いで、礼拝メッセージを始めました。教会員はあぜんとしました。その人は、自分たちの牧師だったのです。

私が教会で挨拶をしたり、話したりする人は、大抵、自分の親しい人で、身なりはそれなりです。あなたはどうか分かりませんが、私は、そのように行動する傾向にあります。
　

ヤコブは、私のような人たちに「もし人をえこひいきするなら、あなたがたは罪を犯しており」（ヤコ2：9）と言って厳重に警告しました。外見や暮らし向きといったことで人をえこひいきするのは、神の家族のすることではありません。「あなたがたは、自分たちの間で差別を設け、悪い考え方で人をさばく者になったのではありませんか」（4節）と言われているとおりです。

自分の隣人を自分自身のように愛したなら、幸いなことに、相手が誰であってもえこひいきはありません。ホームレスの男性、食べ物のない女性、心に傷を負った若者などに手を差し伸べるならば、私たちは「聖書に従って、『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ』という最高の律法を守る」（8節）ことになります。

嫌われ者には距離をおくような社会の中で、キリストの愛を示しましょう。私たちから大切にされることを最も必要としている人を、喜んで受け入れましょう。

（Jennifer Benson Schuldt）

お返しのできない人を助ける人は、本当のキリストの愛を持った人だ。