ボストンの中心街の地下道をラッシュアワーに走っていたとき、車がエンストして道路をふさいでしまいました。後続車は何とか通り抜けましたが、イライラした運転手にどなりつけられました。車は修理工場に牽引（けんいん）されましたが、同じ日にまた故障し、今度は午前2時の幹線道路に立ち往生するハメになりました。当然、車は修理工場に逆戻りです。

その工場の駐車場は、レッドソックスの野球の試合があるときは大混雑します。翌日、仕事をすませて車を取りに行くと、不運にも私の車は30台もの車に囲まれて、身動きできない状態でした。

正直なところ、私の最初の反応はクリスチャンらしいとは言えませんでした。大きな声でまくし立てたのです。しかし閉店時間も近かったので、かえって店員のやる気をそいだだけだと気がつきました。あきらめて帰ろうと開きにくいドアを力ずくで開けると、その様子を見た店員たちが笑ったので、私は余計に頭に来ました。

しかし表に出て我に返り、クリスチャンとしてなんと恥ずかしいことをしたのかと後悔しました。それで閉じたドアをノックして、中にいた店員に「悪かったね」と言いました。彼らはびっくりして、私を中に入れてくれました。私は、クリスチャンなのにあんな振る舞いはダメだなあと、おだやかに話しました。数分後、彼らは他の車を移動して、私の車が動けるようにしてくれました。この体験から、厳しい言葉ではなく、おだやかな言葉が状況を変える（箴15：1）という真理を学びました。

（Randy Kilgore）

おだやかな対応は、かたくなな心を溶かす。