指導力について書かれた本がベストセラー入りをすることはよくありますが、そのほとんどは、どうすれば強い影響力を持った指導者になれるかという指南書です。しかし、ヘンリ・ナーウェンは「イエスの御名で ~ 聖書的リーダーシップを求めて」で、指導力について違う視点で書いています。著者は元大学教授ですが、成人の発達障害者施設で数年間働いていました。そしてこう書いています。「問われるべきは、どれだけの人間があなたに耳を傾けるか、どれだけのことを達成できるか、結果を出せるかではありません。あなたはイエスを心から愛しているか、なのです。…孤独と絶望に満ちた世の中で、神の心を分かっている人が本当に求められています。神の心とは、赦したり、心配したりする心です。手を差し伸べ、癒しを求める心です。」
使徒ヨハネは「神はそのひとり子を世に遣わし、その方によって私たちに、いのちを得させてくださいました。ここに、神の愛が私たちに示されたのです。私たちが神を愛したのではなく、神が私たちを愛し、私たちの罪のために、なだめの供え物としての御子を遣わされました。ここに愛があるのです」と記しました(Ⅰヨハ4:9-10)。
ナーウェンはさらに、「これからのクリスチャンの指導者は、イエスにあって神のみこころを真に知り得た者でなければなりません」と書いています。私たちは神の無条件で無限の愛をイエスにあって発見し、体験します。
私たちの心の中にある神の愛が、他の人を愛する心を与えてくれる。