夫がシェービングクリームが無くなってきたと言うので、買って来てあげるわ、と応じました。すると夫は缶を見せながら、「これと同じものを買ってきてくれ。父さんがいつも使っていたんでね。僕もこの香りが好きなんだ」と言いました。私はにっこりしました。母に髪を洗ってもらっていたシャンプーの香りをかいで、子どもの頃をなつかしく思い出したことが、私にもあったからです。誰にでも忘れられない香りがあります。今は亡き愛する人たちの記憶を、香りが呼び起こすことがあります。

作家であり医学者でもあるオリバー・ウェンデル・ホームズは、「記憶、空想、なつかしさ、連想。これらは、他の何にも勝って、嗅覚によって呼び起こされる」と語りました。

私たちの人生が、人を神に引き付ける芳香であるならばどうでしょう。コリント人への手紙第二2章15節は、「私たちは、救われる人々の中でも、滅びる人々の中でも、神の前にかぐわしいキリストのかおりなのです」と語ります。私たちは、神を喜ばせるかぐわしい香りです。同時に、ある人々を神に引き寄せる香りであり、別の人々には嫌な匂いでもあります。イエスの犠牲を理解している人々は、キリストの香り、すなわち、キリストを思い出させる香りになるチャンスがあります。

キリストに似ているという甘い香りは、人々を救い主にひきつける強い魅力を秘めています。