アメリカで1961年に結成されたロックバンド「ビーチボーイズ」のメンバー、ブライアン・ウィルソンとマイク・ラブは、1963年11月のある日、アップビートで典型的な「ビーチボーイズ」の曲とは全く違った雰囲気の曲を作りました。それは、失ってしまった愛を悼む曲でした。後日、マイクは次のように語りました。「あのような喪失はとても辛いけれど、良いこともあります。それは、愛したという経験が、まずあったということです。」彼らはその曲に「太陽の暖かさ」という題をつけました。

悲しみから歌が生まれるのは新しいことではありません。ダビデが書いた詩篇の中で最も私たちの心を打つものは、詩篇6篇など、深い喪失を体験したときに書かれたものです。ダビデに何が起こったのかという詳細は不明ですが、その詩の内容は深い悲しみに満ちています。「私は私の嘆きで疲れ果て、私の涙で、夜ごとに私の寝床を漂わせ、私のふしどを押し流します。私の目は、いらだちで…弱まりました」(6-7節)。

しかし、この詩はそこでは終わりません。ダビデは、喪失や苦しみを知っていましたが、同時に、神の慰めも知っていました。それで、「主は私の切なる願いを聞かれた。主は私の祈りを受け入れられる」と書いたのです(9節)。

ダビデは深い悲しみの中で歌を見いだしましたが、神を信頼できるという理由も見つけました。神のご真実は人生のあらゆるつらい時の支えになってくれます。神のご臨在の暖かさの中で、私たちの悲しみは、希望につながっていきます。