思考と感情が喧嘩するときは、しばしば心の判断が通ると「愛の一般論」という本に書かれています。以前は一般的に、人は頭(知性)で心(感情)をコントロールしていると言われていましたが、実はその反対であることが、最近の科学の発達によって分かってきました。要するに、「私たちが何者なのか、また、何者になっていくかは、私たちが何を愛するかにかかっている」というのです。

しかし、聖書に親しんでいる人は、これが昔から言われている真実であり、新しい発見ではないと知っています。神がイスラエルの民に与えた最も大切な戒めは、「心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くして、あなたの神、主を愛しなさい」(申6:5)ですから、心の重要性は顕著です。それに「知性を尽くして」をイエスが加えられたことは、マルコの福音書やルカの福音書で分かります(マコ12:30、ルカ10:27)。ですから、現代の科学者たちが発見したことは、聖書がずっと前から教えていたことでした。

私たちキリストに従う者もまた、誰を愛するかが重要であると知っています。最も大切な戒めに従って、神を自らの愛の対象とするなら、素晴らしい目的のために生かしていただけることが保証されています。その目的とは、自分の力で達成できることを遥かに超えた、想像もできないようなことです。神を愛する思いが私たちの心を支配するなら、私たちの頭は、どんな方法で神に仕えようかと色々考えます。また、私たちの行動は、神の御国を地においても、天においても前進させます。