ボブは暑く埃っぽい道を長距離バスで移動し、遠く離れた町に着くと、友人の友人に迎えられ、彼の家で食事をしました。家に着くや否や、緊張がほぐれて長旅の疲れが癒やされ、自分が大切にされていると感じたそうです。

彼は、なぜ見知らぬ土地であんなに安心できたのだろうと不思議に思いましたが、その答えが聖書の中に見つかりました。使徒パウロは、神に従順な人々は「かぐわしいキリストのかおり」(Ⅱコリ2:15)がすると評しています。ボブは、まさにその通りだったと思いました。

パウロは、神がご自分の民をキリストの「勝利の行列」(Ⅱコリ2:14)に加わらせると語りましたが、これは当時の戦勝パレードの慣例で、軍隊は香をたきながら行進しました。勝利の側に立つ人たちにとって、そのかおりは喜びの象徴です。ですからパウロは、神の民は、同じ信仰を持つ人たちにとってのかぐわしいかおりを放っていると言いました。それは自分で作れるものではなく、神が私たちを通してご自分を伝えようとなさるときに与えてくださるものです。

実は、ボブは私の父です。そして、あの旅は40年以上前のことです。しかし、彼はいまだにあのキリストのようなかおりがした人たちのことを懐かしそうに語っています。