薬物から足を洗い、イエスに従う前のKCの人生はめちゃくちゃでした。長く一緒に暮らしていた母親は、ついにたまりかねて家を出ていったと言います。彼は、麻薬を買う金欲しさに盗みを働き、家族のお金さえ盗んだと正直に打ち明けます。今はすっかり更生し、「今日で〇年〇か月〇日間薬を使っていない」と毎日毎日、確認しつづけて過ごしています。私とKCは聖書をともに定期的に学んでいますが、私の前にいるのは、人生を変えられた人です。

マルコの福音書5章15節は、悪霊に取りつかれていた人が癒されたと語ります。助けも、望みも、家もなく、自暴自棄というのが、この人の以前の状態でした(3-5節)。しかし、イエスが解放してくださると、すべてが変わりました(13節)。彼もKCと同様、以前の生活は、普通からは程遠いものでした。

この人の行動が示す混乱した心は、現代の人々の状態とそれほど変わらないでしょう。その中には家の無い人もあるでしょうが、家はあっても孤独で苦しい人もあるでしょう。見えない鎖が彼らを縛り、他者から自らを遠ざけているのです。

恥や痛みが過去であれ、今も続くものであれ、イエスに従うなら、信頼できるお方がついています。神はご自分に駆け寄る人を、腕を広げて待っておられます(19節)。