パリのノートルダム大聖堂で、2019年4月15日、火災が発生し、尖塔が焼けて崩落しました。次の懸念は鐘楼です。巨大な鐘を支える木製の枠が焼け落ちると連鎖的な崩落を招き、大聖堂全体が焼失するかもしれません。
パリ消防局のガレ司令官は消防士たちを一時退避させました。そして、次の策を思案していると、レミという消防士がおずおずと近づき、塔の外壁にホースを持って上ることを進言しました。ガレは、建物の脆弱さを考え、当初は反対しましたが、レミは主張し続けました。決断の時が迫ってきます。若輩の部下の進言に従うか、大聖堂の焼失を座視するかです。
聖書は忠告に耳を傾けなさいと各所で教えます。年長者の意見を敬うべきという文脈の場合もありますが(箴6:20-23)、それ以外の文脈の方が多数です。箴言は、知恵のある者は忠告を聞き入れ(12:15)、多くの助言者によって勝利を得ると語り(24:6)、愚か者は自分の道を正しいと思うと戒めます(12:15)。賢明な人は相手の年齢や社会的地位に関係なく良い助言に従います。
ガレはレミの進言を受け入れました。煙火の鐘の木枠への放水はぎりぎり間に合い、大聖堂は焼失を免れました。今日、敬虔な助言を求めるべき問題がありますか。神は時に、年下や立場が下の人の進言を通して、謙虚な人を導いてくださいます。
人の助言が煩わしいのはどんな場合ですか。人の忠告の良し悪しをどのように判別しますか。
父よ、聖霊によって、賢明な助言を聞き入れる謙遜な心を私の内に作ってください。