心理学者のエモンズは、被験者を3つのグループに分けて、日記をつけてもらいました。グループ①には感謝したこと、グループ②には面倒だったこと、グループ③にはちょっとした出来事を、それぞれ毎週5つずつ書いてもらいました。その結果、感謝を書き出した人たちは、他の人たちより、人生を肯定的に捉え、将来について楽観的で、健康上の問題も少なかったという結果になりました。感謝は人生の見方を変え、幸福にさえしてくれるのです。

聖書は神に感謝することの恩恵をたたえています。なぜなら、それによって神の品性を再確認できるからです。「主はいつくしみ深く その恵みはとこしえまで」(詩100:5)、「主に感謝せよ。その恵みのゆえに。人の子らへの奇しいみわざのゆえに」(107:8、15、21、31)と、詩篇は、神に感謝せよと繰り返し呼びかけています。

ピリピ人への手紙は、自分を支えてくれた人たちに対する使徒パウロの感謝の手紙と言えますが、彼はそこで、感謝をもってささげる祈りは「すべての理解を超えた神の平安」をもたらすと述べています(ピリ4:7)。神が良いお方であることに的を絞るなら、どんな状況下でも心配せずに感謝して祈れます。感謝をささげると平安になります。その平安が心と思いを守り、ものの見方を変えてくれます。感謝の心は喜びを育みます。