歴代誌下 23:1-24:27
1七年目に、ヨヤダは決意を固め、百人隊の長たちエロハムの子アザルヤ、ヨハナンの子イシュマエル、オベドの子アザルヤ、アダヤの子マアセヤ、ジクリの子エリシャファトを連れて来て、彼らと契約を結んだ。 2彼らはユダを行き巡り、ユダのすべての町からレビ人とイスラエルの氏族の長を集めてエルサレムに帰って来た。 3全会衆が神殿の中で王と契約を結ぶと、ヨヤダは彼らに言った。「見よ、王の子を。主がダビデの子孫について言われた言葉に従って、彼が王となる。 4あなたたちがなすべきことはこれである。あなたたちのうち、祭司もレビ人も、安息日が出番に当たる者の三分の一は門衛となり、 5三分の一は王宮の中に、三分の一は礎の門にいなければならない。民は皆、主の神殿の庭にとどまれ。 6祭司と奉仕に当たるレビ人以外は、だれも神殿に入ってはならない。彼らは聖別されているので入ることができる。民は皆、主の戒めを守らなければならない。 7レビ人はおのおの武器を携え、王の周囲を固めなければならない。神殿に入る者は殺さなければならない。王が入るときも、出るときも、王と行動を共にせよ。」
8レビ人とすべてのユダの人々は、すべて祭司ヨヤダが命じたとおり行い、おのおの安息日が出番に当たる部下と非番に当たる部下を連れて来た。祭司ヨヤダが組分けを解かなかったからである。 9祭司ヨヤダは神殿に納められているダビデ王の槍と大盾と小盾を百人隊の長たちに渡し、 10すべての民にはおのおの手に投げ槍を持たせ、祭壇と神殿を中心に神殿の南の端から北の端まで王の周囲を固めさせた。 11そこで彼らは王子を連れて現れ、彼に冠をかぶらせ、掟の書を渡して、彼を王とした。ヨヤダとその息子たちは彼に油を注いで、「王万歳」と叫んだ。
12アタルヤは民が走りながら王をたたえる声を聞き、主の神殿の民のところに行った。 13彼女が見ると、入り口の柱の傍らに王が立ち、そのそばに将軍たちと吹奏隊が立ち並び、また国の民は皆、喜び祝ってラッパを吹き鳴らし、詠唱者たちは楽器を奏で、賛美の先導を行っていた。アタルヤは衣を裂いて、「謀反、謀反」と叫んだ。 14祭司ヨヤダは、軍を指揮する百人隊の長たちを呼び出して、「彼女を隊列の間から外に出せ。彼女について行こうとする者は剣にかけて殺せ」と命じた。祭司が、「彼女を主の神殿で殺してはならない」と言ったからである。 15彼らはアタルヤを捕らえて、王宮の馬の門の入り口まで連れて行き、そこで彼女を殺した。
16ヨヤダは、自分とすべての民と王との間に、主の民となる契約を結んだ。 17すべての民はバアルの神殿に行き、それを祭壇と共に破壊し、像を打ち砕き、バアルの祭司マタンを祭壇の前で殺した。 18祭司ヨヤダは主の神殿の監督を祭司とレビ人にゆだねた。彼らは、ダビデの指示に基づく祝いの歌をもって、モーセの律法に記されているとおり、主に焼き尽くす献げ物をささげるために、ダビデが神殿に配置した者たちである。 19またヨヤダは主の神殿の門に門衛を立て、いかなる汚れであれ、汚れのある者は入れないようにした。 20更に彼は百人隊の長、貴族、民の支配者および国の民全員を率いて、王を主の神殿から連れ下った。彼らは上の門を通って王宮に入り、王を王座につけた。 21こうして、国の民は皆喜び祝った。アタルヤが剣で殺された後、町は平穏であった。
ユダの王ヨアシュ
1ヨアシュは七歳で王となり、四十年間エルサレムで王位にあった。その母は名をツィブヤといい、ベエル・シェバの出身であった。 2ヨアシュは祭司ヨヤダの生きている間は主の目にかなう正しいことを行った。 3ヨヤダは二人の妻を彼にめとらせ、彼らの間に息子や娘が生まれた。 4その後、ヨアシュは主の神殿の修復に意欲を示し、 5祭司とレビ人を集めて言った。「ユダの町々に出かけて行って、あなたたちの神の神殿を毎年修理するため、すべてのイスラエル人から資金を集めよ。速やかに取りかかれ。」しかし、レビ人たちは速やかに取りかからなかった。 6そこで王は祭司長ヨヤダを呼んで言った。「なぜあなたはレビ人に要求し、主の僕モーセとイスラエルの会衆が、掟の幕屋のために定めた税をユダとエルサレムから徴収しないのか。」 7悪女アタルヤとその子たちが神殿を損い、主の神殿の聖なる物もすべてバアルのものとしていた。 8王は命令を出して一つの箱を作らせ、主の神殿の門の外に置かせた。 9そして、神の僕モーセが荒れ野でイスラエルに対して定めた税を主に納めるように、ユダとエルサレムに呼びかけさせた。 10高官も民も皆喜んで持って来て、溢れるまで箱に投げ入れた。 11その箱がレビ人によって運び込まれ、王の監査にかけられるとき、献金がたまっているのが認められると、王の書記官と祭司長の代表が来て箱を空け、また持って行って元の場所に戻しておいた。毎日このようにして、彼らは多くの献金を集めた。 12王とヨヤダは、その献金を主の神殿の工事の担当者たちに渡した。彼らは神殿を修復するために石工と大工を雇い、また神殿を修理するために鉄と青銅の職人を雇った。 13工事の担当者たちはそのように行い、彼らの働きによって修理の作業は進んだ。彼らは神殿を元の状態にし、また補強した。 14作業が終わると、彼らは残った献金を王とヨヤダに差し出した。これをもって儀式や焼き尽くす献げ物のための祭具、盃、金と銀の祭具など、主の神殿の祭具類が作られた。ヨヤダの生きている間、主の神殿では焼き尽くす献げ物が絶えずささげられた。
15ヨヤダは年老い、長寿を全うして死んだ。死んだとき、彼は百三十歳であった。 16その遺体はダビデの町に諸王と共に葬られた。彼はイスラエルにおいて神とその神殿のために著しい貢献をしたからである。
17ヨヤダの死後、ユダの高官たちが王のもとに来て、ひれ伏した。そのとき、王は彼らの言うことを聞き入れた。 18彼らは先祖の神、主の神殿を捨て、アシェラと偶像に仕えた。この罪悪のゆえに、神の怒りがユダとエルサレムに下った。 19彼らを主に立ち帰らせるため、預言者が次々と遣わされた。しかし、彼らは戒められても耳を貸さなかった。 20神の霊が祭司ヨヤダの子ゼカルヤを捕らえた。彼は民に向かって立ち、語った。「神はこう言われる。『なぜあなたたちは主の戒めを破るのか。あなたたちは栄えない。あなたたちが主を捨てたから、主もあなたたちを捨てる。』」 21ところが彼らは共謀し、王の命令により、主の神殿の庭でゼカルヤを石で打ち殺した。 22ヨアシュ王も、彼の父ヨヤダから寄せられた慈しみを顧みず、その息子を殺した。ゼカルヤは、死に際して言った。「主がこれを御覧になり、責任を追及してくださいますように。」
23年が改まるころ、アラムの軍隊がヨアシュに向かって攻め上った。彼らはユダとエルサレムに攻めて来て、民の中の高官をすべて殺し、戦利品をことごとくダマスコの王のもとに送った。 24攻めて来たアラム軍の兵士は少数だったが、ユダとエルサレムの人々が先祖の神、主を捨てたので、主は極めて大きな軍隊をアラム軍の手に渡された。こうして彼らはヨアシュに裁きを行った。 25彼らがヨアシュに重傷を負わせて去ると、家臣たちは、祭司ヨヤダの息子の血のゆえに、共謀し、ヨアシュを寝床で殺した。彼は死んで、ダビデの町に葬られたが、王の墓には葬られなかった。 26共謀者は、アンモンの女シムアトの子ザバドと、モアブの女シムリトの子ヨザバドであった。
27ヨアシュの王子たち、王に向けられた数々の託宣、それに神殿の修復については、『列王の書の解説』に記されている。その子アマツヤがヨアシュに代わって王となった。