道をそれない
以前、死者79人、負傷者66人の列車の脱線事故がスペイン北西部でありました。運転士は黙秘しましたが、カメラの映像は、列車がとんでもないスピードで走っていたことを示していました。彼は、30年の経験を持つ国営鉄道のベテランでしたが、理由はどうであれ、乗客の安全を守る制限速度を無視し、大惨事を引き起こしました。
縁の下の力持ち
友人のミックは、開発途上国へ無料の医療を届ける「アフリカマーシー号」で働いています。病気を放置せざるを得なかった多くの人が、毎日、訪れます。テレビの取材が時折あります。彼らは医師や看護師たちが、口蓋裂を治し、内反尖足(せんそく)を矯正する様子にカメラを向けます。時々は、別の仕事をしているスタッフにもインタビューします。しかし、ミックの仕事に気付く人はほとんどいません。彼自身、考えてもいなかった配属先だったそうです。彼は、船の下水処理のエンジニアなのです。日々4万リットル近くの有害物質を含んだ水の処理は重要です。ミックが配管やポンプを管理しなかったら、医療船の活動は成り立ちません。
静寂が必要
ウエストバージニア州グリーンバンクは、起伏に富んだアパラチア山脈沿いの小さな町です。何の変哲もありませんが、ある一点だけ違っています。住民142人全員がWi-Fiにつながっていないのです。グリーンバンク天文台の電波望遠鏡は常に作動しているので、これに対する電波障害を防ぐために、近隣ではWi-Fiや携帯電話の使用が制限されています。グリーンバンクは、北米で最も電波が静寂な地域といえます。
長い取り組み
クーデターの後、キリスト者は迫害され、家畜を殺されました。生活の基盤を奪われ、ツンの一家は離散し、彼は独りで9年間、難民キャンプにいました。神が一緒だと分かっていても、家族2人の訃報に心が折れました。
あわれみが必要
特別な集会に備えて会堂の飾り付けをしていると、責任者が手際の悪い私に嫌味を言いました。彼女が去ると別の人が来て「気にしてはだめ。彼女にはあわれみが必要なのよ」と言い、私は笑いました。それ以来、誰かともめるとそう言いました。後年、その女性が亡くなると、彼女が、見えない所で神に仕え、困っている人に惜しみない援助をしていたと、牧師が語りました。私は、彼女や他の人のことを裁いたり、「あわれみが必要な人」とレッテルを貼ったりしたことを悔い、神に赦(ゆる)しを乞いました。実際、私も他の人と同様、あわれみが必要なのです。
見捨てられた人の信仰
トンガの10代の生徒たちが、1965年6月、島から脱出しようと海に出ました。しかし、初日の夜に嵐に遭い、船のマストもかじも折れました。水も食料も無く漂流し、無人のアタ島に漂着しました。
全ての悲しみ
エミリー・ディキンソンは19世紀の詩人です。「悲しみに出会うといつも比べる。目を凝らして探る。その重さは私のものと同じか、それとも軽いかしらと」と、人が心の傷をどのように背負い続けているかを考えます。すると「刺し通す慰め」をカルバリで見て、自分の傷が救い主の傷に映るのを見ます。彼女はためらいながらも「そう見なすと心が踊る。その傷は、私のものに似ている」と、唯一の慰めに思い至ります。
悲しみの中にある希望
ルイーズは皆を笑顔にするかわいく活発な女の子でしたが、5歳の時、珍しい病気で突然亡くなりました。それは、両親のデイデイとピーター、そして私たち同僚にとって大きなショックで、深く悲しみました。
祈るときには必ず
マルコム・クラウトは、2021年、英国のエリザベス女王より、モーンディ・マネー(洗足日下賜金)を授与されました。当時、100歳。生涯で千冊の聖書を配った功績によるものです。彼は聖書を贈った全ての人の名前を記録し、その人たちのために常に祈っていました。