グレンジャー・マッコイは、鳥を観察して作品にする彫刻家です。鳥の優雅さ、繊細さ、力強さを見事に表現します。例えば、『リカバリーストローク』という作品は、垂直に伸ばしたオナガガモの右の翼だけです。その下には、鳥のリカバリーストロークは「飛ぶ力が一番弱い瞬間だが、前進する力を集める瞬間でもある」と説明書きがあります。そして「わたしの恵みはあなたに十分である。わたしの力は弱さのうちに完全に現れるからである」(Ⅱコリ12:9)という聖書のみことばが添えられています。

これは使徒パウロがコリントの教会に書き送った言葉です。パウロは彼が「肉体のとげ」(7節)と形容するものに大いに苦しんでいました。それは病気かもしれないし、霊の葛藤かもしれません。彼はその「とげ」を抜いてくださいと祈りました。十字架刑前夜のイエスと同じように(ルカ22:39-44)、その苦しみを去らせてくださいと、繰り返し懇願しました。すると聖霊は、神が必ず必要な力を与えてくださると応えられました。パウロは「私が弱いときにこそ、私は強い」(Ⅱコリ12:10)と学んだのです。

ああ、人生のとげ。鳥が推進力を集めるように、私たちも問題に対峙(たいじ)する神の力を集めましょう。神の力の中に私たち自身の力があるのです。