今日は博士たちが東の方から幼子イエスを拝しに訪れた出来事を記念する公現祭です。「われらはきたりぬ」(讃美歌第二編52番)では、「三人の博士」になっていますが、たぶんそうではなかったでしょう。三つの贈り物が聖書に記されているので、三人が一つずつ携えたように歌われているのでしょう。
博士たちはベツレヘムに到着し、「そして宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げ」ました(マタ2:11)。贈り物はイエスの使命を象徴するものです。黄金は、王としてのイエス、聖所でたく香に混ぜる乳香は、神としてのイエスを。しかし、没薬は死体の防腐剤に用いられます。そこで私たちは考えるのです。
前述の賛美の4番は、「我が持ち来たれる 没薬ささげて 御苦しみの日に 備えまつらん」と歌います。私たちなら、主が苦しみを受けられるという物語を書くでしょうか。しかし、神はそうなさいました。イエスの死は、私たちの救いの中心です。ヘロデ王は、まだ幼子だったイエスを殺そうとさえしたのです(13節)。
最後の5番は「よろずを統べます メシヤは生まれぬ ハレルヤ ハレルヤ たたえまつらん」と歌います。神、王、贖(あがな)い主。その全てでクリスマスの物語は完成します。