最近読んだ小説の主人公二コラは自分が末期がんだと認めません。現実を直視するようにと友人たちが迫ると、拒絶の理由が浮き彫りになりました。「私は人生を無駄にした……何に対してもいいかげんで、一生懸命打ち込まなかったのだから」と。二コラは才能と富を持って生まれました。それなのに何も成し遂げず世を去ると思うと、いたたまれなかったのです。
これは伝道者の書とは対照的です。伝道者は、万民が「あなたが行こうとしているよみ」(伝9:10)に行くと語ります。その現実(2節)はつらい一方で、今の価値を認識させます(4節)。飲食や家族団らんを味わい楽しみ(7-9節)、目的を持って働き(10節)、挑戦を怖がらず(11:1、6)、審判の日が訪れると認めつつ、全てを神の御前で行うならばです(11:9、12:13-14)。
ニコラの友人たちは、彼女の誠実で物惜しみしない人柄を指摘し、彼女の人生が無駄でなかった証しはそれだと言いました。ここに挙げた伝道者の教訓を真剣に受け止めるなら、人生の最期に二コラのように葛藤することはありません。あなたの創造主を尊び、神の道を行きましょう(12:1)。神が示すあらゆる機会をキャッチし、十分に生き、愛しましょう。
今日、何気ないことを、どのように神を喜ぶ機会に変えますか。あなたにとって、まだやったことのない善行は何ですか。
愛する神よ、今日という日とそれがもたらす全てに感謝します。何気ないことの中に喜びを見つけ、主を礼拝する機会にします。