灰色のガンダルフが白のサルマンを問い詰めると、彼の離脱が明らかになります。彼は中つ国を邪悪なサウロンから守る任務を捨て、あろうことか、サウロンと同盟を結んでいたのです。J・R・R・トールキンの名作の映画化『ロード・オブ・ザ・リング 旅の仲間』の一場面です。その後、二人は善悪の壮大な戦いを繰り広げます。サルマンが正しい道に踏みとどまってさえいれば……。

旧約聖書のサウル王も道を踏み外しました。彼は「霊媒や口寄せを追い出し」ました(Ⅰサム28:3)。オカルトは神が「忌み嫌うべきこと」ですから(申18:9-12)、正しいことをしたのです。しかし、ペリシテの大軍におびえて神に伺いを立てても、己の過ちゆえに、神の答えがありません。すると、「霊媒をする女を探して来い。私が彼女のところに行って、彼女に尋ねてみよう」(Ⅰサム28:7)と、真逆の行動をします。正しいことを知っていたのに、そこから逸脱しました。再度の失敗です。

イエスは「あなたがたの言うことばは、『はい』は『はい』、『いいえ』は『いいえ』としなさい。それ以上のことは悪い者から出ているのです」(マタ5:37)と言われました。つまり、キリストに従うと誓ったのなら、誓いを守り、誠実に歩むことが肝要です。神に助けていただいて、道を踏み外さないようにしましょう。