バーバラは、ひ孫のイーサンにセーターを編んでいましたが、完成できずに亡くなりました。それを完成したのは「仕上げ人」です。彼女たちは手芸愛好家のボランティアで、制作途上で召された人と遺族をつなぎます。自分の時間と技術を差し出し、愛を込めて作品を仕上げることで、遺族の心は慰められます。

神は預言者エリヤの働きにも「仕上げ人」を任命されました。エリヤはイスラエルの民に失望し孤独でした。彼らが神の契約を拒み、預言者を殺していたからです。それに対し、神は「エリシャに油を注いで、あなたに代わる預言者とせよ」(Ⅰ列19:16)と命じられました。神の真理を宣べる働きが、エリヤ亡き後も長く続くことが、こうして保証されたのです。

預言者の働きを引き継ぐ召しをエリシャに分からせるため、エリヤは「外套(がいとう)を彼に掛け」ました(19節)。預言者の外套は、神の代弁者の権威を示したので(Ⅱ列2:8参照)、エリシャに対する召命は、この行為によって明白になりました。

私たちキリスト者は、神の愛を皆と分かち合い、神の「栄誉を……告げ知らせる」(Ⅰペテ2:9)任務があります。その任務は、私たち一代では終わらないかもしれませんが、心配は無用です。神は、自らのご臨在を知らせる神聖な働きを引き継いでいく「仕上げ人たち」を次々に召してくださいます。